オトコたちが主役の食ドラマが大繁盛していた夏
今からちょうど10年前、2016年の真夏は、オトコたちが主役の〈食ドラマ〉が大繁盛していた。1本目はドラマ24「侠飯~おとこめし~」(テレビ東京系)だ。三流大学に通う良太(柄本時生)は就活の真っ最中。討ち死にの日々が続いていたが、ひょんなことから逃げ込んできたヤクザの柳刃(生瀬勝久)と同居するハメになる。
しかもこの柳刃という男、出自や経緯はまったく不明だが、料理の腕前がプロ並みなのだ。毎回のお楽しみは、柳刃が披露する安くて簡単でうまい料理である。「焦がし醤油のにんにくチャーハン」や「塩辛カレーリゾット」など、料理に不慣れなオトコでも実際に作れそうな品が登場した。「キッチンは俺のシマ(縄張り)だ!」というタンカに嘘はない。
また、このドラマのもうひとつのキモは、料理について語る柳刃の言葉が、そのまま就活中の良太へのアドバイスになっていることだ。「どんな食材も工夫次第(=大学のランクなど関係ない)」「他人の家の味をうらやむ必要はない(=自分の個性を大事にしろ)」などの名言が並んだ。「孤独のグルメ」とは、またひと味違うアプローチの〈食ドラマ〉であり、夏バテ対策にも有効な深夜の佳作だった。


















