著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

“昭和のデカ”を体当たりで演じ続けた唐沢寿明の役者魂

公開日: 更新日:

 今からちょうど10年前の9月、元気な刑事ドラマが始まった。唐沢寿明窪田正孝のコンビによる「ラストコップ episode0(ゼロ)」(日本テレビ系)だ。

 もともとはhuluで配信されたオリジナルドラマだが、この年の10月から地上波で放送することになった。そこで9月中に「エピソード・ゼロ」と称する3回分を流し始めたのだ。いわば前哨戦であり、壮大な予告編でもあった。

 30年前の事件で昏睡状態に陥っていた横浜中央署の刑事、京極浩介(唐沢)が目覚めて復活する。コンビを組まされたのは、年齢もタイプも異なる望月亮太(窪田)だ。

 まずは2人のボケとツッコミが見どころのひとつとなっている。最大のウリは“昭和の刑事(デカ)”である京極の破天荒ぶりだろう。暴走ともいえる強引な捜査。当時の刑事ドラマにしては珍しく、しっかりドンパチ(発砲シーン)もあった。

 連発される親父ギャグは困るが、京極は結果を出す男だ。唐沢は、同じ2016年のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」の天才編集者・花山とは真逆となる、コミカルなキャラクターを喜々として演じていた。

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