(38)食事以外は部屋にこもったままの母…さあ、どうする?
見学当日。サ高住に迎えに行くとおかんは素直に車に乗り込んでくれた。気楽になってもらうべく「見学に行くのは、そっちに入れという意味じゃないからね」と話すと急に顔色が変わり「じゃあ、なんで家に帰してくれないの!」。導火線に火がついてしまい、泣きながら罵詈雑言を浴びせられた。
もちろんその後の見学などうまくいくはずもない。出迎えてくれた支配人が何を話そうが仏頂面のまま無視する始末。この状況を打開するにはどうしたらいいだろう。そればかり考えていたら、電話がかかってきた。
「お母さんどうしてる。元気なの?」
ご近所の藤島さんだった。おかんと仲が良く、過去に老後のための施設を一緒に見学に行ったことがある人だ(連載5回目で紹介)。
老健を退所しサ高住に入居したことは知らせていたので、近況を聞きたかったという。そこで今の状況を正直に話したところ、同情の言葉とともに「気分転換になるだろうから、今からお母さんを連れてウチに遊びにいらっしゃいよ」。
ありがたい申し出に甘えることにした。



















