コーチが語る課題と可能性 清宮の「基本以前」の守備走塁

金子コーチ（左）とマンツーマンで守備練習（Ｃ）日刊ゲンダイ／石井俊平

　そんな現状を清宮は自身で理解している。「高校の野球でやってきたこととは違う。バットさばき、飛距離、グラブさばきなど細かいところですごく差を感じます」と話す。

　指導されると、その都度、清宮はコーチの目を見て、「はい」と返事をする。わからないと思ったことは、自分から質問もする。同じ一塁の中田に練習の流れなどを聞くこともある。

「きついですね」

　練習の合間、金子コーチにポツリと漏らす場面もあったが、スローイングは以前よりもスムーズに腕が振れるなど、改善の兆しも見える。同コーチが「投げることは好きみたい」と言うように、負担のかからない投げ方になりつつある。

　もともと指先の力が強い清宮は、「『いい感じ』と金子コーチから言っていただいている。ボールに力が伝わっているなという感覚はキャッチボールから感じています」と言う。金子コーチは、そんな清宮の練習姿勢についてこう話す。

「いろんなことに初めてトライする感じ。『偽走』とかもそう。大げさなくらいにいろいろ試そうとする。物おじしないで、いろいろ聞いてくるし、いろんなことを質問してくるし、はね返りもある。スローイングを教えても、『指に残る感覚が違いますね』と言うので、『感覚として残ることが大事だよ』と。送球、捕球、走塁などそれぞれ興味の度合いは違いますけど、吸収しようという意欲は感じます」