久万オーナー「タイガースがなんか、ちっちゃい会社や」 阪神を“弱虎”たらしめた親会社の軽視
営業マン……のち阪神タイガース社長に就く野崎勝義は「野球に疎いわたしがなんでまたタイガースへ異動とは」と消沈したが、しかし、欧州ツアーの大手との競争で群を抜いた営業力を心の支えに、異動を受け入れた。1996年7月1日付である。肩書は常務取締役。
挨拶で久万と会った野崎は弱虎の盲点を突いた。本気で強くしようと思ってられますか? 組織に大きい不備があるんじゃあないですか? みな、ぬるま湯に漬かってるんじゃあないですか? 組織のどこもかしこもネジが緩んでるんじゃあないですか?……とまあ、こんなことを並べた。
入社試験の面接官が当時人事部の次長だった久万俊二郎。野崎は古い昔を思い出し、今は電鉄社長の久万に食い下がっているおのれを苦笑しながら、生来が生真面目だけに、胸にあるままを吐き出した。
吐くと、久万の頭に血が逆流する。
「キミね。タイガース、タイガースとうるさくいうけれどタイガースがなんぼのもんかね。ちっちゃい会社じゃないか。いうても電鉄は(年商)3000億円や。わかったなら、もう、騒ぎなさんな」


















