久万オーナー「タイガースがなんか、ちっちゃい会社や」 阪神を“弱虎”たらしめた親会社の軽視
営業で都内を歩くと、顧客は待ってましたとばかりにタイガースを話題にする。「なんとかならないの?本気で強くしようと思ってないんじゃあないの?」と顧客は不満をぶつける。
「なんでもかんでも東京中心の中で生きる大阪出身の私らの頼みはタイガースが勝って留飲を下げること。それがバカにされ、笑われっぱなしじゃあね。あなた、東京を代表してオーナーや監督や選手にはっぱかけてみなさいよ」
東京で働く阪神電鉄の旅行マンは商談より、弱いタイガースへの苦情が多いのに閉口した。
1987年から10年くらいの虎の暗黒時代の頃のことである。6位、6位、5位、6位、6位、2位、4位、4位、6位……。のちの星野仙一が「こんな成績を黙って見過ごしていたんですか。オーナー、あなたが悪い」と遠慮会釈なしに直言し、オーナーの久万俊二郎がぐうの音も出なかったというほどの不甲斐なき成績である。
阪神電鉄の旅行部「阪神航空」東京本社のくだんの営業マンは内心で「虎が弱いのをわたしらのせいにされてもなあ」と思いながら、無関心でいるわけにもいかず、相づちをうっては弱いタイガースを恨んだ。


















