阪神はなぜ甲子園前の“一等地”を買わなかった? 勝負せず、守りも甘い“事なかれ主義”のDNA
阪神甲子園駅の改札口を出ると目と鼻の先に大型商業施設「コロワ甲子園」と「ホテルヒューイット甲子園」が並んで立っている。国道43号を挟んだ真向かいが甲子園球場である。
今から半世紀前。両ビルの土地には高等学校が、いかにも名門の雰囲気を醸し、立っていた。私学の甲陽学院高校である。
時代は右肩あがりの発展を見せたが、整備されはじめた43号に排ガスなどの公害問題が生じ、甲陽学院はその地を去り、生徒を煙害から守った。
広大な跡地をだれが買うのか? 阪神電鉄の沿線である。世に知られた甲子園球場がある。すぐ近辺に阪神パークという手頃な動物園がある。阪神電鉄が買う、と地域住民の多くが思い、新たな街づくりの夢が広がったが、電鉄は動かなかった。
昔の電鉄社員は「ウチの経営者はあきませんでしたな。跡地をよう買わなかった。買っていたら、間違いなくこのあたりは阪神一色のすばらしい一帯になっていたのに」とため息をつく。
買う財力はあったんです。買えばさらなる阪神電鉄の発展があったんです。ただ、決断ができなかったんです……。


















