本で読み解くNEWSの深層
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地政学に学ぶ
グローバル化の一方で進む新・冷戦状況。こんな時代こそ「地政学」の重要性が高まる。 ◇ 「サイバースペースの地政学」小宮山功一朗、小泉悠著 ひところ「電脳空間」などの訳語がつけられ…
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五輪じゃないパリ
いよいよ迫ったパリ五輪。だが実は書店には、オリンピックとは無関係のユニークなパリ本が案外多いのだ。 ◇ ◇ ◇ 「パリの『敵性』日本人たち」藤森晶子著 第2次世界大戦…
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どうするどうなる自動車産業
検査データ偽装問題や電動化対応の遅れで揺れる自動車業界。大丈夫か自動車ニッポン? ◇ 「クルマの未来で日本はどう戦うのか?」島下泰久著 かつて日本製の自動車は世界一の品質と売れ行…
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娯楽映画の巨匠たち
コロナ明けから映画界では日本映画が好調。その陰には昭和の職人監督たちが築いた歴史がある。 ◇ 「映画監督放浪記」関本郁夫著、伊藤彰彦、塚田泉編 昭和の映画監督は世代によって明暗が…
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琉球と沖縄
玉城知事を支持する県政与党が過半数割れを起こした沖縄県議選。対本土ばかりでなく内憂も懸念される沖縄は? ◇ ◇ ◇ 「琉球揺れる聖域」安里英子著 沖縄といえば青い海とおだ…
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強欲の経済
格差社会から大国の覇権争いまで、現代の資本経済は、血も涙もない貪欲さをむき出しにする。 ◇ 「武器化する経済」ヘンリー・ファレル、アブラハム・ニューマン著 野中香方子訳 中国がの…
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新しい冷戦と日本
米中間で緊張高まる「新しい冷戦」。挟まれた日本はどうするか。 ◇ 「インド太平洋地経学と米中覇権競争」寺田貴編著 本書は「地経学」という新しいアプローチによる国際関係論集。地政学…
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ニッポンの安全保障
武器輸出三原則を踏みにじって戦闘機の輸出を進める政府自民党と財界。果たして日本の安全保障は? ◇ 「安全保障の戦後政治史」塩田潮著 そもそも日本の安全保障はどんな道を歩んできたの…
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マンスプレイニング
「オトコが偉そうに上からするお説教」、これが話題の新語「マンスプレイニング」だ。 ◇ 「男の子をダメな大人にしないために、親のぼくができること」アーロン・グーヴェイア著 上田勢子訳 …
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改正NTT法
去る3月の閣議でいつのまにか決定されたのが、国民の財産を預かるNTTをめぐる改正NTT法だ。大手マスコミが報じないこの重大案件の中身は? ◇ 「NTT法廃止で日本は滅ぶ」深田萌絵著 …
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少子化ニッポンの移民論
少子化の流れが止まらない。出生率の劇的向上は望めないとなれば、やはり手段は移民か? ◇ ◇ ◇ 「ニューカマーの世代交代」樋口直人、稲葉奈々子編著 しばらく前、経済紙で移…
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クィア
LGBTに加わったQは「クィア」のこと。近ごろ目につくクィアってなんだ? ◇ ◇ ◇ 「クィアの民俗学」辻本侑生、島村恭則ほか著 一見地味な学術書の体裁だが、中身は面白い…
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ポピュリズム
アメリカでは「もしトラ」が現実になると危惧されている。またしてもポピュリズムの時代か!? ◇ 「暴力とポピュリズムのアメリカ史」中野博文著 副題に「ミリシアがもたらす分断」とあ…
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グローバル・サウスの光と影
かつては「開発途上国」と呼ばれたグローバル・サウスが、いまや世界の未来を先導している。 ◇ 「インド グローバル・サウスの超大国」近藤正規著 一体いつのまに? と思う人もいるだ…
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戦争はなくならないのか
「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」ダニー・ネフセタイ著 永尾俊彦構成 イスラム組織ハマスへの報復攻撃という名目で民間人攻撃をも辞さないイスラエル軍。おかげで世界中から非難を受け、支持を表明した…
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働くニッポン
「日経平均、史上最高値を更新」などとニュースが騒ごうと、末端の働き手たちの仕事は変わらない……。 「副業おじさん」若月澪子著 「ギグワーク」とは企業などに属さず、単発や短期の非正規や副業で…
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劣化するニッポン
自民党内派閥の裏金問題をはじめ、日本社会の劣化を示す深刻な兆候。いまや放置できない危機が迫っている。 ◇ 「自壊する『日本』の構造」長谷川雄一ほか編 日本の社会は劣化を飛び越えて…
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狂騒の資本主義
相変わらず縮まらない格差。インフレ基調に転じた資本主義の行く末が心配だ。 ◇ ◇ ◇ 「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」ナンシー・フレイザー著 江口泰子訳 いまや…
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民主主義危機一髪!
世界を覆う専制政治の嵐。はたして民主主義は持ちこたえるのか。 ◇ 「民主主義を装う権威主義」東島雅昌著 なにより題名が目を引く。自称「民主主義国」の独裁制・専制政治の国は少なくな…
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働き方と人間
働き方改革といわれながら世は旧態依然。しかし、ちょっと視点を変えると意外な働き方が見えてくる。 「ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢」松岡かすみ著 いまやGDPでもドイツに抜かれて4位転落のニッ…