高級ドライヤーの評価を決定づけた美容への意識改革 3万円以上が市場の4割、8万円の商品も!
2015年、ある美容師にドライヤー選びを尋ねると「大風量で安ければいい」と返された。業務での激しい使用でケーブルが断線しやすいため、消耗品と割り切るプロの論理だ。
だが、パナソニックは逆の道を歩んだ。1997年ごろから研究を重ね、コストダウンではなく、毎日使うことで髪質改善を目指す「ヘアケア」という付加価値を追求したのだ。
そもそも、なぜドライヤーで髪が傷むのか。洗髪後の濡れた髪はキューティクルが開き、高熱に弱く無防備になる。その一方で、自然乾燥でも水分を含んだキューティクルは傷みやすい。
そこでパナソニックは、帯電微粒子水「ナノイー」に着目した。これはOHラジカルを含む5~20ナノメートルの微粒子だ。ウイルスが100ナノメートル程度だから、極めて微細であることが分かる。このOHラジカルを髪表面に付着させてキューティクルを引き締め、同時に微細な水分で保湿するという仕組みである。
導入当時はナノイーの認知度が低く、ドライヤーに水タンクが必要だったりと洗練されていなかったが、その効果は徐々に市場に浸透。


















