「ななめ45°」岡安章介さん41歳で下咽頭がんに…「告知された時は、なんで俺ががんなんだ!」と泣いた
先生もビックリするほどがんが小さくなって手術は不要に
──治療からがんが消えるまでは。
「声帯を残す方向でいきましょう」と先生が言ってくれて、放射線と抗がん剤治療でがんを小さくしてから手術をするプランにしてくれました。その後、治療でがんがどんどん小さくなってくれて。3クールほどで先生が「がんはどのへんでしたっけ」と言うほど小さくなり、手術は不要に。先生もビックリするほどで首のしこりも2クールでなくなりました。それが21年のことです。
抗がん剤の副作用は気持ち悪くてキツかった。それと2クール目から味覚がまったくなくなって。何を食べても味がしない。だから食欲もわかず、「味って大事だな」としみじみ思いました。先生から「個人差がありますけど、味覚が半分だけや、ほとんど戻らない方もいます」と言われて怖かったですが、3カ月ちょっとの治療を終えたら少しずつ味覚が戻りました。
がんが消えてからは定期健診に毎月行き、徐々にスパンを空けて最後は半年に一度。再発が怖いから検査結果を聞く時はいつもドキドキで。先生ももったいぶって「うーん、ちょっと怪しいかな」とか言うんですよ。別の検査をやることになって焦るけど、1週間後に行くと「全然大丈夫でした」と言われて。でも、がんはどう再発するかわかりませんからね。
そして今年の2月にやっと寛解。先生から「もう完全に大丈夫です」と言われるまで、トータル5年でしたね。
■病院ではスマホでお笑いを見てパワーをもらった
一番つらかったのは、コロナ自粛中に誰にもお見舞いに来てもらえなかったこと。自宅にも来られないじゃないですか。だからひとりで考えこんじゃって。
そんな時、病院の最上階にあるコインランドリーに行き、見晴らしのいい景色を見てから、スマホでお笑いをたくさん見ました。コントの動画やバラエティー番組で笑うと、気持ちが軽くなれたんです。これは実感したんですけど、お笑いは生きるパワーをくれるんですよ。「自分のやってる仕事ってすごいな」とあらためて思いました。笑わせることで落ち込んでいる人の気持ちを軽くさせられるこの仕事を一生やっていこうとひとりきりのコインランドリーで決意しました。自分の職業に誇りを持てたことは、唯一良かったことです。
──人を救えるお笑いでやりたいことは。
がん治療で休止していた単独ライブを去年から再スタートし、今年は来週に新ネタで開催します。鉄道イベントには、おかげさまでよく呼んでいただけていますが、遠くの地方に行く時も「なるべく陸路でお願いします」と頼み、電車でイベントに向かいます(笑)。
今月は、豪雨災害の影響で止まっていた熊本のくま川鉄道が全線再開するということで行ってきました。これからも鉄道とコントで頑張ります。
(聞き手=松野大介)
▽岡安章介(おかやす・あきよし) 1979年9月、埼玉県出身。2000年に土谷隼人、下池輝明と「ななめ45°」を結成。トリオでYouTube配信中。鉄道好きで知られ、鉄道イベントで人気。「ななめ45°」第15回単独ライブ「縞々な島~Stripes ISland~」10月2日、午後6時30分開演(日本橋社会教育会館ホール)



















