(9)同僚である“奴”のいい加減さには本当に腹が立つ
また、私が新人の頃にも“奴”には苦労した。あるとき、ゲームセンターの両替機に不具合が生じたのだが、どう対処していいかわからなかった私は「ちょっと見ていただけませんか」とお願いした。だが、退社時間が2分過ぎていた“奴”は、不安な私の気持ちなど知ったものかと帰ってしまったのだ。新人だった私は本当につらかったが、それ以来、「そういう人なんだ」と諦めることにした。
「楽な仕事だけする」「自分さえよければいい」「同僚のことなど知ったこっちゃない」が“奴”の基本スタイル。何か起きたら「俺、知らねぇ」と逃げる。周りはたまったもんじゃない。“奴”のような人間が1人いるだけで、警備全体が評判を落とすこともしばしばあるのだ。なんといっても、我々は同じ制服を着ているから、“奴”1人の無責任な行動、いい加減な仕事ぶりで警備員全員が非難の対象になってしまうことさえあるのだ。
ただ“奴”はコミュニケーション能力が比較的高いせいなのだろうか、業者やテナントスタッフの若い女性が相手になると如才なく振る舞い、楽しげに世間話をして、「本性」を見せない。だが、いい加減な仕事ぶりは相変わらずで、たとえば催事写真やポスターの張り替えなどは本当に適当。結果、ほかの者が撮り直したり、張り替えをしたりしなくてはならず余計に手間がかかってしまう。とにかく“奴”に大切な仕事はやらせられないのだ。さらに困ったことに、上司や警備員のリーダーである「隊長」が注意しても「反省をしたふり」をするだけ。

















