2つの関係先を怒らせた高市官邸「仮定」の「断定」
読者は覚えておられるだろうか。4月7日の記者会見での高市首相の発言を。「原油の代替調達の結果、備蓄放出量を抑えつつ、年を越えて、石油の供給を確保できるめどがついた」──これと同じ表現が、同月10日開催の「中東情勢に関する関係閣僚会議(第3回)」にも出てくる。事前レクを受けての発言に違いない。
この「確保できるめどがついた」に、多くのエネルギー関係者が首をかしげた。
なぜなら当時、原油は各国同士の取り合いで、半年のロングターム契約などとてもかなわず、長くて3カ月契約が主流を占めていたからである。4月の段階で何とか7月までの確保にめどをつけていた友人の原油トレーダーは怒り心頭でこう言い放った。
「いったいどこの誰が、どこの国と契約してきたのか、見せてくれよ!」
首相の無責任な言葉はどこから出てきたのか。先の経産省資料にある「石油の需給見通し」の折れ線グラフを初めて見た時、私は呆れ返って言葉を失ってしまった。なぜなら、「代替調達率50%前提」で今後も安定的に原油が調達できた「場合」、年を越えても確保できそうだ、という「仮定」に基づいたデータなのである。
しかも、問題のグラフには代替調達ができない場合、8カ月しか持たないというシナリオも併記されていた。当然、「安心感の演出」を第一に置く政権はそんな危機意識は共有しない。


















