大号泣復活Vの横綱大の里も…6場所連続で優勝力士が「12勝」の謎解き
熱い涙が何度もこぼれ落ちた。
ともに11勝の横綱大の里(26)と大関安青錦の相星決戦となった、大相撲9月場所。昨27日の千秋楽、勝者が賜杯を手にする大一番を制したのは、この1年間優勝から遠ざかっていた横綱だった。
立ち合いから鋭く踏み込み、圧力を思い切り安青錦にぶつけると、一気に突き出し。ウクライナ出身の実力者に何もさせず、自身6度目の復活Vを果たした。
最後に優勝したのは昨年9月場所。今年3月場所で悪化した左肩関節に悩まされ、一時期は満足に稽古ができず、「また優勝できるのかな。この先、大丈夫なのかな」と吐露した。国歌斉唱の直前から目頭を熱くさせ、「君が代」の演奏中は何度も目元をぬぐい、大きな手のひらで顔を覆っていた。
優勝インタビューでも「ケガをして思い通りの相撲を取れないのが1年続いて、苦しい思いはあった」と率直な心情を吐露。この日の相撲については、「朝起きて腹を決めた。悔いが残らないような相撲を取ることを考えた」と、迷いを吹っ切ったようだ。
とはいえ、懸念は残る。
「ケガが完治しても、再発の恐れがどこか頭にあるのでしょう。無意識にブレーキがかかっているのか、踏み込みが浅く、押し切れない、あるいは逆に押される相撲が今場所も何番かあった。そうなると、悪癖の引き癖が顔をのぞかせる。14日目に琴桜に負けた一番もそうだが、勝ちを急いでいたのか土俵際での詰めも甘い。完全復活したかどうかの判断はまだできない」(若手親方)
そんな横綱の状態と密接に関係しているのが優勝力士の星数だ。昨年11月場所から今場所まで、優勝力士は6場所連続で12勝3敗。偶然と呼ぶには無理がある。
自身も11勝から13勝まで4度の優勝経験がある湊川親方(元大関貴景勝)はこう言う。
「1勝違うだけで難しさはまったく違います。特に今は力士の実力が拮抗している。その中で抜け出して……というのは非常に難しい。ただ、勘違いしてほしくないのは、(星数が少ないと)優勝の価値が下がるわけではない。優勝は相対的にその場所で一番多く勝った力士が得られるもの。12勝でも全勝でも、優勝自体の価値は同じです」
実力拮抗がその原因とみるのだが、前出の若手親方は「上位陣の実力が横並びとなっていることに加えて……」と、こう続ける。


















