横綱大の里が難敵・藤ノ川を下し“鬼門”突破…1年ぶり優勝間近も「復活」を信じていいのか
まさに横綱相撲という一番だった。
大相撲9月場所11日目、1敗の横綱大の里(26)が結びの一番で当たったのは、過去2戦2敗で金星を2つも配給している2敗の関脇・藤ノ川(21)。難敵相手にどう戦うかが注目されたが、勝負は一瞬だった。
立ち合いで右を差すと、そのまま電車道で寄り切り。支度部屋では「集中できた。相手の好きなことをやらせないよう、しっかりやりました」と話したように、狙い通りの相撲で難敵から初勝利を挙げた。過去2番はいずれも相手に好き放題されたことが苦い教訓となったのだろう。
この日は藤ノ川を含む2敗の3力士が全滅し、1敗の大の里は次点の力士らに星の差2つをつける単独トップ。昨年9月場所以来となる賜杯は近づいたが、油断は禁物だ。
「懸念は相も変わらず治る気配がない引き癖ですよ」と、ベテラン親方が言う。
「この日の相撲は圧勝だったが、当たり勝てる小兵相手なら引く必要がないので悪癖の心配はない。ただ、いつもパワーで圧倒できる相手ばかりではない。いずれも勝ったとはいえ、初日は大栄翔、9日目には初顔合わせの藤凌駕に立ち合いで当たり負けし、引いている。あれだけの体格(190センチ、188キロ)だから、アマチュア時代から押し負ける経験はほとんどなかったはず。だからこそ、押されたら瞬時に『ヤバい!』となり、はたき込みや引き落としに頼ってしまう。仮に今場所で復活Vを遂げたところで、それは好調だっただけ。大の里自身は何も変わっていない、という結論になりそうです」
不調時でも引かずに勝てる相撲を磨かないと、今後も苦しいまま。引き癖を克服しない限り、「完全復活」と呼ぶのはまだ早そうだ。


















