著者のコラム一覧
平井隆司デイリースポーツ元記者

1942年、大阪府出身。旅行会社に就職するも4年で退社、デイリースポーツへ。阪神の担当記者として数々の事件や騒動を取材。デイリースポーツ編集局長やサンテレビ常務など、神戸新聞グループの主要ポストを歴任した。著書に「猛虎襲来」「阪神タイガース『黒歴史』」。

阪神幹部の「巨人が優勝、ウチは2位でええ」は本当だった! “偉い人たち”の仰天ソロバン勘定

公開日: 更新日:

「というこっちゃわな」

 と偉い人の目が笑った。この耳で聞いたから「2位でええ」はまるっきりウソではない。

 どうしてそんなあほを、と巷の声は呆れたが、この話はちゃんと説明をつけておかないと、阪神の偉い人、つまり阪神電鉄の役員らがまったく能なしの、ただの笑いものになってしまう。もっと言えば今の時代なら敗退行為ととられて、オーナー会議などで糾弾されればおしまい。思えば、そこには悲しくもタイガースの、巨人隷属の歴史が透けてみえたのだ。

 昔の甲子園球場は巨人戦だけが満員で、巨人以外のカードは1万人も入れば御の字。人気のタイガースといっても観客動員ではそんな程度である。あのばかでかい器で100万人を初めて動員したのが1962(昭和37)年。2リーグになって初めて優勝した、あのシーズンである。

 ともあれ、球団は巨人戦をAカード、他をBカードと称し、AとBではチケット料金が違った。巨人戦で潤い、他のカードの赤字を埋めて、最後はぎりぎりの黒字。これで電鉄本社は「儲からんでも、赤字にならんかったらそれでよろしい」と。これが本音に近い偉い人の発想であった。

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