ウクライナ侵攻
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戦争を起こした張本人の支持率がなぜ上がる? 疎外されたロシア世論の向かう先
前回、ロシア国民が「受け身」という実態を紹介した。消極的ではあるものの結果的にプーチン大統領を支持している。ウクライナ侵攻をやめさせるための日米欧の制裁がいくら厳しくても、その構造は簡単に揺るがない。それにしても説明が難しいのは、戦...
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鉄のカーテンの内側はバーチャル? ロシアは政治に無関心な「受け身」の国民が支える
ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月下旬以降も、プーチン大統領の支持率が下がらない。隣国で死なせた将兵数は国防省発表で1000人以上、英国推計で1万5000人。制裁や外国企業流出で、国内経済はぼろぼろ。それなのに政権は耐えられている...
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プーチンのウクライナ侵攻と日本の「支那一撃論」の共通性
これまでプーチンのウクライナへの軍事侵略が20世紀の帝国主義的戦争の教訓に全く学んでいないという事実を指摘してきた。彼の頭にあるのは、スターリンのつくったソ連という社会主義体制の中心軸を再現して、ロシアをその帝国の支配者たろうとする...
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「“プーチン排除”が停戦への最短コース」名越健郎氏が分析する最新ロシア事情
「プーチンの戦争」はいまだ終わりが見えない。ウクライナを猛烈に支援する米国のバイデン大統領はロシアに外交解決を呼びかけ、プーチン大統領もトルコのエルドアン大統領による仲介案に乗るそぶりを見せ始めたが、楽観視はできない。ロシア国内は、ク...
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ロシア当局が墓を大量購入 ウクライナ戦争で兵士4.2万人が行方不明…想像以上の戦死者か
ロシア国内で戦死者の埋葬が急ピッチで進んでいる。ロシア語メディア「メディアゾナ」の独自集計によると、ウクライナ戦争で亡くなったロシア兵は少なくとも2099人(5月6日時点)。相次ぐ戦死に、ロシアの地元当局は慌てているようだ。 ...
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キーウに迫ったロシア軍部隊壊滅の立役者…首都防衛のヒーローは15歳のドローン少年!
ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した直後の2月下旬、同軍の戦闘車両の大部隊が西から首都キーウに迫っていたが、100キロほど手前のジトーミル近郊の幹線道路上でウクライナ軍から驚くほど精密な砲撃を受けて壊滅的な打撃を被った。 ドロ...
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迫るプーチン大統領辞任のカウントダウン…攻勢強めるロシアが「停戦交渉」再開に動く狙い
やはり、一刻も早く停戦したいのではないか。ロシアのラブロフ外相は8日、訪問先のトルコでチャブシオール外相と会談。共同通信によると、会談後の会見で、ラブロフは「停戦交渉」の再開に応じるようウクライナ側に求めたという。ロシア側はウクライ...
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プーチン大統領50歳の思い出 ポール・マッカートニーの「赤の広場」コンサートで上機嫌
米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイトルが「ア」ではなく「ザ」でなければならない理由を、翻訳者の福光潤氏がメルマガで解説している。不特定の未来でなく、特定の未来に戻ってこなければならないという意味だそうで、あらすじを知って...
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「正義の兵士集団」の現実は…ウクライナ侵攻まで続く赤軍兵士の妄信
独ソ戦におけるソ連の赤軍は、確かに勇猛果敢に戦った。これは祖国をドイツに渡したくないという強い意志の故でもあったが、同時にナチスへの脅威のためでもあった。各種の書によると、赤軍兵士の中には命が惜しいという弱兵が多い部隊もあり、そうし...
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アベ案件で拡大させた「ロシア事業」温存の愚 10年間で血税40億円超がバラまかれた!
ウクライナ戦争をめぐる経済制裁に怒り狂っているロシアのプーチン大統領がまた対抗措置に打って出た。北方領土周辺海域での日本漁船による操業を定めた日ロ間の漁業協定の履行を停止。ホッケ漁などが始まる9月以降もズルズルいけば、北海道の漁業関...
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プーチン大統領はウクライナの「心臓部」を焼き尽くすのをためらった?
ウクライナ侵攻を振り返ると、不思議なことがいくつもある。例えば、ロシア軍は遠方に控えた艦艇や爆撃機から巡航ミサイルで攻撃しながら、首都キーウ中心部を狙うことは比較的少なかった。周辺に当たる北部キーウ州で集団殺害とみられる「戦争犯罪」...
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戦果を焦るロ軍「ロシアの日」を前に東部2州で新たな攻撃準備
旧ソ連崩壊でロシア連邦が国家主権宣言した記念日「ロシアの日」の12日を前に、戦果を焦るロシア軍が、ウクライナ東部2州の完全制圧に向けて攻撃を強めている。 ウクライナ軍参謀本部は8日、ロシア軍が東部ドンバス地方のドネツク州スラ...
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プーチン大統領が国防省高官18人に階級授与 軍人“昇進乱発”に透ける姑息な狙い
ロシア軍の指揮官がまた戦死した。ロシア国営テレビによると、ウクライナ東部で親ロシア派勢力を指揮していた軍空挺団のロマン・クトゥーゾフ少将が5日、激戦地セベロドネツクの村で死亡したという。 ロシア側は亡くなった指揮官はクトゥー...
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独裁政治の果ては? プーチンは暗殺の恐怖に怯えながら生き続ける
政治指導者のプーチンがスターリンに抱いている尊敬と反発は、心理学分析がいうところのエディプスコンプレックスの枠組みに組み込むとわかりやすい。このコンプレックスをもっと砕いて説明するならば、「権力者の心理学」(小田晋)に書かれている次...
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中立国を動かしたロシアの暴挙 “フィンランド有事”からユーロ危機が勃発か
これはロシアによるウクライナ侵攻の“余波”といえるだろう。中立国のフィンランド、スウェーデンがNATO(北大西洋条約機構→軍事同盟)加盟を申請した。両国は長年の安全保障政策を転換する。 6月29~30日のNATO首脳会議にお...
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プーチン大統領は休戦に動くのか? ロシアで広がる厭戦ムード、「戦争ウンザリ」4割も
ロシアが軍事侵攻を始めてから100日余り。ロシア軍はウクライナ東部の制圧に攻勢を強めているが、目立った戦果は挙げていない。落としどころを見いだせないプーチン政権は、国内世論に敏感になっている。 ロシアの独立系ニュースサイト「...
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プーチン大統領“厚顔無恥”発言 ウクライナの穀物を「ベラルーシ経由で輸出すれば」
ロシアのプーチン大統領とアフリカ連合議長国セネガルのサル大統領が3日、ロシア南部ソチで会談した。 AFP通信によると、サル大統領はロシアによるウクライナ侵攻で深刻化した食料危機について「アフリカはウクライナからは離れているが...
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ロシアで「反戦の動き」高まりプーチン離れ加速 戦地では軍の内紛勃発!【一覧表付き】
ロシア軍が攻勢を強めている。近く、ウクライナ東部ルガンスク州全域を制圧する可能性がある。一方、ここへきてロシア国内で一気に厭戦ムードが広がっている。反戦の声が次々と上がっているのだ。 ◇ ◇ ◇ 4月以降にあった...
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教会の東西対立が深刻化…ウクライナには「反プーチン」教派が
フランシスコ・ローマ教皇が東方正教の復活祭(イースター)に合わせて訴えた停戦は、実現しなかった。ウクライナ侵攻を続けるロシアは呼び掛けに応じず、プーチン大統領は4月24日未明、モスクワの大聖堂での祈祷に何食わぬ顔で参列した。その頃、...
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孤立した指導者プーチンが西側諸国を敵視する「2つの理由」
第2次世界大戦時のソ連は、対ドイツ戦を国力の全てを捧げて戦った。1939年9月1日のナチスによるポーランド侵攻時は、実はスターリンとの野合とでもいうべきであったが、その1年10カ月後のヒトラーによる裏切りで、ソ連はナチスの軍事侵略を...
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ロシア軍ドローンはほぼ「日本製」だった! カメラ、エンジンなど次々と軍事転用
ウクライナ侵攻で使用されているロシア軍のドローンに日本製の部品が数多く使用されていることがわかった。3日の毎日新聞が報じた。 ウクライナ国防省公式報道機関のツイッターに投稿された動画などによると、墜落したドローン「オルラン1...
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ロシア軍はウクライナ侵攻の象徴に…「Z」に込められた意味とその背景
ウクライナに侵攻したロシア軍の戦闘車両などに「Z」のマークが付いている。 今年4月18日、国営放送であるロシア1のニュース番組でロシア連邦軍による戦勝記念日のリハーサルについて報じた際、ニュースキャスターがなぜ「Z」という文...
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日中ロのオンライン対話で実感 ウクライナ問題を日本と中国に当てはめると…
中国研究所主催の日・中・ロの各国識者によるオンライン対話に参加した。議題はウクライナ情勢の分析と、それが極東に与える影響である。 話の内容もさることながら、オンライン対話に臨む環境整備に驚いた。ロシア人がしゃべると日本語に通...
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「プーチンは生ぬるい!」強硬派突き上げでロシア内乱激化、KGB出身の“後任最右翼”はより危険
ウクライナ侵攻は、東部ドンバス地方でなお激しい戦闘が続くが、ロシア国内でも争いが激化だ。プーチン大統領が始めた「特別軍事作戦」が思うように進んでいないことに、国内の強硬派や過激派が批判を強め、勢いづいているためだ。この「内乱」が政権...
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4.24のミサイル攻撃が生んだ 東スラブ民族正教世界の「修復しがたい亀裂」
「ロシアのプーチン大統領は聖堂に行き、オデーサ上空にはミサイルが飛んだ」(ウクライナのメディア) カトリックの復活祭(イースター)の1週間後、4月24日に東方正教の復活大祭(パスハ)があった。この日はクリスマスよりも盛大かつ荘...
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プーチンはロシアの独裁者だと公言 敵対勢力の命を奪うスターリンの手法
これは私の推測になるのだが、戦後の西ドイツ、そして統一ドイツの指導者は、ソ連と敵対しないことを前提に、ヒトラーの時代への申し訳なさのような感情を抱いているのだろう。メルケルやショルツのような時代に入っても、それが心理的に続いているの...
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米国→ウクライナに供与、シン・ロケット砲「ハイマース」の実力…戦況のゲームチェンジャーとなるか
米国がウクライナに新たな兵器を投入する。バイデン米政権が供与を決めたのは、高機動ロケット砲システム「ハイマース」(HIMARS=写真)。1日に発表した約7億ドルの追加軍事支援に盛り込んだ。“シン・ロケット砲”は戦況を一変させるゲーム...
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ロシア正教会トップがウクライナ侵攻に“異議アリ”! プーチン大統領は盟友の苦言に真っ青
「できるだけ賢明に行動すべきだ」──。国民に絶大な影響力を持つロシア正教会トップの「苦言」に衝撃が走っている。ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から3カ月余。プーチン大統領が停戦に向けて舵を切る可能性が出てきた。 ◇ ◇ ◇...
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プーチンの盟友コザク大統領府副長官はコサックの子孫 ウクライナ生まれ“オール5”の神童
ロシアの侵攻でくしくも注目が高まったウクライナ。文化の象徴として、名物「ボルシチ」と並ぶのは、騎兵集団「コサック」ではないか。トルコ語で「自由の人」を意味し、帝政ロシア時代の辺境防衛に活躍。軍事教練に由来するダンスはあまりに有名だ。...
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ウクライナ苦戦の原因は「米国製兵器」の到着遅れ プーチン大統領“6.12勝利宣言”へ着々
ウクライナに侵攻しているロシア軍が、戦力を集中させた東部地域で攻勢を強めている。ルガンスク州は、陥落寸前だ。6月中旬からウクライナ軍が反転攻勢に出るという見方があったが、状況が変わってきた。原因は、アメリカからの兵器提供が遅れている...