ロシア当局が墓を大量購入 ウクライナ戦争で兵士4.2万人が行方不明…想像以上の戦死者か
ロシア国内で戦死者の埋葬が急ピッチで進んでいる。ロシア語メディア「メディアゾナ」の独自集計によると、ウクライナ戦争で亡くなったロシア兵は少なくとも2099人(5月6日時点)。相次ぐ戦死に、ロシアの地元当局は慌てているようだ。
クレムリン(大統領府)は3月にロシア兵の戦死者が1351人に上ると発表したきり、更新していない。正確な数字は不明だが、モスクワ・タイムズ(6日付)によると、〈(ロシアの)地元当局は“異常な”ペースで新たな墓を購入している〉という。
記事によれば、極東ハバロフスク当局は業者に約700基の墓を用意するよう指示。同様の契約を結んだ5年前は、当局からの発注は120基だった。「プーチンの戦争」が要因で、大量の墓が必要になっている可能性が高い。
「ロシアでは、墓は基本的に個人単位で入るものです。ソ連時代は共産党が墓の面倒を見ていました。市民は生前、地区委員会に『両親の横に埋めて欲しい』などと伝えていたそうです。その名残で、現在も地元当局が墓専用のエリアを決め、管理しています。ウクライナ戦争で行方不明になっているといわれるロシア兵は、約4万2000人。うち戦死者は、かなりの数に上ると予想されます。当局が墓を大量に用意しているのは、想像以上に戦死者が出ているからでしょう」(筑波大名誉教授の中村逸郎氏=ロシア政治)