週末オススメ本ミシュラン
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優れた小説は実用書としても役立つと再認識
村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」が抜群に面白い。読者からこの優れた小説を読む楽しみを奪ってはならないので、筋書きについてはあえて説明しない。 古代ギリシャのプラトン以来、西洋哲学には目には見…
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モデル小説で新聞記者に語らせたタブー
プロ野球の南海ホークスに杉浦忠という名投手がいた。長嶋茂雄と立教大学同期だが、挙母高校の出身である。挙母は由緒ある地名だったが、その挙母市が1959年に豊田市になる。トヨタ自動車の豊田である。どうし…
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偉人のことが短時間で分かる知のトレーニング書
ネットの検索機能は「知識にアクセスするための高速道路」のように感じるだろう、としつつも、その問題に詳しい人に質問をしたり何冊も本を読むことの重要性も説く。我々は案外と知らないことが多く、それは特にネ…
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だからウォールストリートはトランプを支持しているのか
トランプ大統領の下での米国経済を予測した興味深い作品だ。 〈「ドッド・フランク法(金融規制改革法)を廃止する!」/トランプの選挙公約が、米国の金融規制強化の流れに「待った」をかけた。/(中略)…
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世界のオザワ誕生に父の物語
「父はとにかく東条英機や岸信介のことを嫌っていました。『日本を滅ぼすのは軍人と官僚だ。軍人は涙を知らない。官僚は利権のことしか考えない』。そう言って、よく怒っていました。戦後、岸信介さんが首相になった…
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サッカーを儲かるビジネスにした電通の体質とマンパワー
新入社員が自殺した件で、電通が昨年来注目されている。負の部分が注目される傾向にあるが、ダイナミックな企画をし、実際に実行に移すだけの実力を持った企業であることもこれまた真である。本書は電通がいかにサ…
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安倍首相も読むべきプーチンと付き合う際の留意点が満載
ロシアのプーチン大統領について、日本語で読むことができる最良の書だ。ソ連時代は、KGB(国家保安委員会)で対外インテリジェンスを担当する中堅職員(退役時の階級は中佐)が、1996年にモスクワで大統領…
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これは新しいマクロ経済学の教科書だ
ヘリコプターマネーというのは、政府や中央銀行が、まるでヘリコプターからばらまくように、市中に貨幣を供給する究極の景気浮揚策だ。このヘリコプターマネーは、日本では評判が悪い。まるで打ち出の小槌のように…
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自民改憲草案を推し進める2つのタイプ
小林節は、かつて自民党のブレーンだった。それだけに彼らが何を、どう考えているか、よく知っている。その体験を踏まえて、小林は自民党の改憲草案を推し進めている議員には2通りのパターンがいると解説する。 …
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「寝るヤツはバカ」を真っ向否定する睡眠指南書
東大の寮に入り浸っていたことがあるが、東大生に共通していたのは、ストンと眠りにつき、長時間寝るということだ。と思っていたら、東大出身の堀江貴文氏も毎日8時間寝ると発言している。その一方、会社では同僚…
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「自分がワクワクしないと他人はワクワクしない」に納得
マスメディアで強い発信力を持つ若手社会学者の古市憲寿氏が、小熊英二氏、上野千鶴子氏、宮台真司氏ら12人の社会学者とのインタビューをまとめた本である。12人の社会学者が先生で、古市氏が生徒役という体裁…
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いまや子供は家より高い買い物
本書が指摘する日本の教育環境の長期的変化は2つある。大学進学率の上昇と教育費の高騰だ。 この30年で、大学進学率は倍増の52%となった。高専や専門学校専修課程を加えた高等教育全体だと80%に…
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大阪「新世界」を守ってきたのは極道だった
反社会勢力というのだという。暴力団のことである。私などからは、安倍(晋三)政権の方がよほど“反社会勢力”に見える。いわゆる世間の人はそうは見ないのだろう。 「突破者」の宮崎学が、暴力団がいない…
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料理ができない男性はいい料理本に出合っていないからだ
一緒に仕事をしている42歳の男性から深刻な悩みを聞いた。それは、地方に暮らす同氏の母が入院をしたものの、74歳の父親が一人自宅に残され、まるで料理ができないためコンビニ弁当を買うぐらいしか食の選択肢…
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トランプ大統領で日米関係はどうなる その答えが書かれている
アメリカの大統領選挙で、民主党のヒラリー候補の私的メールによる国家機密漏洩容疑でFBIが捜査を開始したことによって、共和党のトランプ候補が当選する可能性が皆無とは言えなくなってきた。トランプ大統領が…
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簡単 習慣を変えればカネが貯まる
著者の西山美紀氏は、ライターとして、マネー関係の取材を数多く積み重ねてきただけでなく、自身の都区内のマンションを4年半で完済した節約の達人でもある。 本書の最大の特色は、お金が貯まる習慣を詳…
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決起しない“社畜”たちを揺さぶる内部からの告発本
「イトマンは住銀のタンツボです」 テレビ朝日の「久米宏のニュースステーション」に呼ばれて私は当時こう言った。 住友銀行は子会社化したイトマンをタンツボのように扱ってイトマン事件を惹起し…
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価値相対主義が思考停止を生んでいる
かつて「新人類」と呼ばれた世代についての優れた考察だ。 〈相対主義は、60年代から70年代にかけて主に文化人類学や社会学などの学問の分野でひとつの流行となり、その後、日本の知識人にも大きな影響…
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IoTビジネスはIT企業よりアナログ企業にチャンスあり
最近、IoTという言葉をよく聞くようになった。さまざまな機器がインターネットにつながるようになることだ。 インターネットでつながるスマート家電は、例えば、エアコンのスイッチを外出先からスマホ…
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この変わり身は何なのか 20年前の選挙では痛烈な池田大作批判
先日亡くなった自民党の元幹事長、加藤紘一は自民党と公明党の連立に反対して、こう言った。 「熾烈な宗教政党批判を繰り広げた自民党が公明党と連立するとは、あまりにもご都合主義ではないか」 “…
