語り部の経営者たち
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時代屋 藤原英則社長(1)浅草を盛り上げる「観光人力車」のパイオニアは副業の達人
いまや、浅草観光のアトラクション的存在になっている人力車。時代屋は、浅草で観光人力車を初めて走らせたパイオニアである。 昭和初期までは日本一の盛り場だった浅草も、藤原が事業を開始した1990…
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井川意高・大王製紙元会長(4)すぐに辞めたのは失敗、井川家追放のクーデターを許してしまった
もともと、賭け事は嫌いではなかった。小学校4年の時から両親、弟の4人で麻雀卓を囲んでいた。家族麻雀といっても、しっかり賭けていた。「真剣じゃないと面白くない」という父・高雄氏の提案だった。 …
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井川意高・大王製紙元会長(3)専務昇格後にオーストラリアでバカラとの運命的な出会い
東大卒業後に入った簿記の専門学校には数回、出席しただけだった。テキストを見れば、大体のことはわかり、独学で原価計算ができるようになっていた。 「大王製紙で働く前に猶予期間をもらったというのが本…
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大王製紙 井川意高元会長(2)父に鉄拳制裁を受けながら英語を学んだ筑駒中時代
「東京営業本部を立ち上げたのは、自身がこちらに来る理由をつくるのが大きかったと思う」 1975年早々、父・井川高雄氏はオイルショック後の事業立て直しに、自ら東京営業本部長となり上京した。 …
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大王製紙 井川意高元会長(1)106億円をカジノで溶かした超秀才の少年時代
エリエールで知られる大王製紙の創業家3代目の井川意高氏が東京地検特捜部に逮捕されたのは2011年11月のことだった。10~11年、シンガポールやマカオのカジノで負けが込み、大王製紙の子会社数社から1…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(7)入浴の文化や効能を海外にも広めていきたい
三枚堂が社長に就任した2020年2月は、新型コロナの感染拡大が始まった頃でもある。家の中で快適に過ごすことを重視した消費傾向、いわゆる巣ごもり需要が注目されるようになったが、入浴剤業界もその影響を受…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(6)熱海の土石流災害で「日本の名湯」を買う支援者が続出
バスクリンは、120年以上もの歴史を誇る入浴剤のパイオニアである。 「真摯に研究開発してきた積み重ねがあるので、その知見はどこにも負けないと思っています」と、三枚堂は胸を張る。 生薬や…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(5)思いもかけなかった社長への打診
三枚堂がバスクリンと関わるようになったのは2015年2月、アース製薬の役員待遇管理本部経営企画部長を務める傍ら、バスクリンの非常勤取締役を兼務することになったのがきっかけだった。バスクリンがアース製…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(4)上場準備とM&Aの仕事で大きく飛躍
2002年10月、それまでアース製薬で営業を担当していた三枚堂に、「株式上場プロジェクト」への辞令が下った。事業計画の立案や社内体制の整備、申請書類の作成など上場基準を満たすためのさまざまな準備を担…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(3)アース製薬の営業マン時代は試行錯誤だった
高校も大学もサッカー推薦で進学するほどのスポーツマンだった三枚堂にとって、保健体育の教員になることは既定路線だった。 しかし、教育実習を経験してみると、「教師というのは違うのかもしれない」と…
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バスクリン 三枚堂正悟社長(2)坊主頭になるのが嫌で、父が望む野球部には進まず
小学生の頃から野球、サッカー、水泳などに親しむスポーツ万能少年だった。 「体育くらいしか得意科目がなかったんです。『保健体育の先生になったらいい』と、小学校の担任に言われたくらいでしたから」 …
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バスクリン 三枚堂正悟社長(1)「目標を高く持つ」精神はサッカーで培った
バスクリンは、看板商品である入浴剤と同名の会社である。 90年以上ものロングセラーを誇る「バスクリン」は2019年、粉末タイプ入浴剤ブランドにおける最新年間売り上げで「ギネス世界記録」に認定…
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ランスタッド株式会社 ポール・デュプイCEO(4)優秀な人材とはハートのいい人、ハートの強い人
赤字つづきだった「ランスタッド・インド」を黒字化させたポール・デュプイが、再び日本に戻ってきたのは2021年7月だった。4年ぶりの日本赴任だった。「ランスタッド(株)」のCEOに就任した。53歳の時…
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ランスタッド株式会社 ポール・デュプイCEO(3)ビジョンの実現を強く信じることが重要
世界最大の総合人材サービス会社「ランスタッド」の日本法人の拡大(成長・発展)に成功したポール・デュプイは2017年、COOとして「ランスタッド・インド」の立て直しを任されることになった。ポールはオン…
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ランスタッド株式会社 ポール・デュプイCEO(2)一人の成功体験が次々に伝播していった
ポール・デュプイが「ランスタッド」に入社したのは2013年、45歳の時だ。アムステルダムに本社を置くランスタッドは、世界38カ国・地域に4700以上の拠点を持ち、4万人が働く世界最大の総合人材サービ…
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ランスタッド株式会社 ポール・デュプイCEO(1)ワーキングホリデーを利用して大阪・西成で過ごす
世界38の国と地域に拠点がある「ランスタッド」は、世界最大の総合人材サービス会社である。日本法人「ランスタッド㈱」の代表取締役会長兼CEOを務めているのがポール・デュプイだ。 ポールは、わず…
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鮒忠 安孫子節人社長(4)「経営は利益が一番大事」トップとして抱く危機感
鮒忠4代目社長の安孫子節人は、最高執行責任者COO時代、2021年2月「お弁当・ケータリング事業部」の事業譲渡を成功させた。22年7月、社長に就任している。 1995年、28歳で入社してから…
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鮒忠 安孫子節人社長(3)コロナ禍で直撃受けた事業を売却…水面下の困難なミッションだった
鮒忠4代目社長の安孫子節人は、2代目社長の根本修司(故人)の長女、由美子(現副社長)と結婚したのを機に1995年、鮒忠に入社。主力商品の焼き鳥の串打ちや、ウナギの割き方を現場で学び、2001年常務取…
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鮒忠 安孫子節人社長(2)山形工場のパートから鶏肉のカット法を教わった
鮒忠4代目社長の安孫子節人は、2代目社長の根本修司(故人)の長女・由美子(現副社長)と結婚、2年後の1995年4月、中学校教師を辞めて鮒忠に入社している。28歳の時だ。由美子は小学校の同級生だった。…
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鮒忠 安孫子節人社長(1)小学生の時「鮒忠の焼き鳥はうまい」と刷り込まれた
今年、創業77年を迎える鮒忠。焼き鳥がうまく、ひいきにしているサラリーマンも多い。 2022年7月に社長に就任した安孫子節人(56)は4代目だ。創業家の2代目社長、根本修司(故人)の長女・由…