佐々木朗希の選手会脱退に「情けないし、寂しい」 球界に広がった“第2の朗希”への危機感

公開日: 更新日:

2024年1月の記事⑥を再掲載

 佐々木朗希が不甲斐ない投球を見せるたび、SNS上では辛辣な声が吹き荒れる。高卒3年目に1試合19奪三振の日本記録、史上最年少の20歳5か月で完全試合を達成するなど投手として圧倒的なポテンシャルを持ちながら、なぜここまで叩かれるようになったのか。

 その背景には、ファンから「ゴネ得」とも揶揄された米挑戦騒動がある。23年オフに大きな物議を醸した古巣ロッテとの泥沼交渉劇、24年シーズンの不完全燃焼、そしてタンパリング疑惑まで取り沙汰されたドジャース入り──。日本球界最後の1年に何があったのか。当時の記事で振り返る。年齢、肩書は当時のまま。

  ◇  ◇  ◇

「率直に言うと情けないし、寂しい」

 昨29日、日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長が、ロッテ・佐々木朗希(22)の選手会脱退について、語気を強めてこう言った。

「みんなで労働組合でいろんなものを変えて、先輩方がやってきた。FAもポストシーズンももともとなかったものを団結して勝ち取ってきた。それを佐々木君にしても当たり前に使えていたものを脱退した後も使える。辞めた理由は詳しく聞けていないが、辞めたことにはいろいろな思いがある」

 球団に対して、早期のポスティングによるメジャー挑戦を直訴していた佐々木は昨春、自ら電話で森事務局長に脱退を通達。選手会によると、選手の加入に関しては強制力がなく、あくまで任意。メジャーから日本球界に復帰した選手など、選手会に加入していない選手も中にはいるが、脱退する場合は各球団の選手会長を通じて申し入れをするのが通例で、佐々木のような若手選手が脱退するのは異例中の異例だ。

 1991年、三冠王の落合博満(ロッテ)が統一契約書の破棄を主張して選手会を脱退、93年に導入されたばかりのFA権を行使して中日へ移籍し、波紋を呼んだ。某球団関係者はこう言う。

「朗希は周囲のススメもあり、脱退を決意した。朗希が先輩として慕っている山本由伸も、数年前に選手会を脱退していたと週刊文春に報じられている。森事務局長が『後からこういう選手が出てこないように』と話しているように、選手会が恐れているのは、由伸、朗希の動きに追従する選手が出てくることです」

 すでに伏線は張られているだけに、選手会は気が気ではない。朗希騒動のハレーションは終わりが見えない……。(つづく)

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