(2)国内未承認の「PRP皮膚再生療法」で健康被害も
長年、美容医療の安全と適正化に取り組んできた「日本美容外科学会」元理事長の朝戸裕貴独協医科大学特任・名誉教授はこう解説します。
「美容医療は健康な体に薬剤やメスを入れる医療です。当然、安全性が第一ですが、一部のクリニックでは国内で未認可の医薬品や材料が使われているのも事実です。未認可でも医師の処方箋があれば海外から個人輸入することができますが、良識ある医師なら効果や安全性が確認されているもの、たとえばFDA(米国食品医薬品局)で認可されているものを選ぶはずです。ところが、値段が安いからと信頼性に欠ける未認可のものを輸入しているのです」
こういった利益優先の姿勢は「直美」問題にもつながると朝戸教授は言います。
「直美は2年間の初期研修後、すぐに美容クリニックで施術しています。本来なら形成外科の専門的なトレーニングを積んでから美容外科に行くのが常道です。形成外科医として一人前になるのに5年半はかかり、その後、美容外科医としての技術を磨く必要があるのです。基礎研修だけでは無理があります。専門医としての技術を習得しないまま施術をすれば、トラブルの増加につながるのは目に見えています。美容医療の安全性や質を高めるために多くの医師は学会に所属し、きちんと勉強を続けていますが、直美の中には学会に入らない者もいる。これまでの医師の常識が通用しないのです」
直美を多く雇い、使い捨てにしている美容クリニックもあるとのこと。安全性が懸念されます。
(医療ジャーナリスト・油井香代子)



















