高齢者の正しいクスリとの付き合い方
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医療者は「妊婦」に処方するクスリには毎回とても慎重になる
妊娠16週以降は「胎児の発育に影響を及ぼす薬物」に注意が必要になります。胎児の血管を収縮させる薬物や、腎臓の機能に影響を及ぼす薬物のように直接胎児に影響のあるものだけでなく、母体の羊水を減らすような…
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妊婦にクスリを使うときに考えなければいけないポイント
「妊娠」や「授乳」と聞くと、高齢者には関係ないと思われるかもしれませんが、お孫さんができたときなどを考えると、決して他人事ではありません。特に、妊娠中のクスリは胎児に大きな影響を与えてしまう可能性があ…
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抗てんかん薬は「薬物血中濃度モニタリング」の対象になる
てんかんの治療の基本は薬物療法で、その目的はてんかん発作の予防です。また、「全般てんかん」と「部分てんかん」では用いられる抗てんかん薬が異なりますが、どちらにも使われるものもあります。抗てんかん薬は…
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てんかんの薬物療法は発作を起こさないようにする予防が目的
「てんかん」というと、若い人の疾患というイメージを持たれている方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際は高齢者の発症も多く、さらには他の疾患の影響でてんかんになるケースもあります。てんかんの治療の基本は…
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整腸剤の“正体”は善玉菌をクスリにしたもの…腸内環境を良くする
年を重ねれば、一度は「整腸剤」を服用したことがあると思います。でも、「整腸剤って一体何なんだろう?」と考えたことありませんか? 今回は整腸剤の“正体”についてお話しします。 整腸剤とはいわゆ…
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アルツハイマー型認知症の治療に使う注射薬はどんなクスリなのか
以前、認知症の治療薬について紹介しました。超高齢社会を迎えた日本において、特に認知症は誰しもなりたくない疾患のひとつに挙げられるでしょう。 認知症にはいくつか種類がありますが、最も多いのがア…
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あなたが飲んでいるクスリの中に「PIMs」はありませんか?
以前、「ポリファーマシー」について取り上げました。ポリファーマシーとは、クスリを多く(5~6種類以上)使用していて、それによる副作用や相互作用といった有害事象が認められる状態をいいます。こういった状…
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脳梗塞に使われる「フリーラジカルスカベンジャー」は発症24時間以内でなければ投与できない
高齢になり、長年の生活習慣によって動脈硬化が進行したときに起こる病気のひとつに「脳梗塞」があります。場合によっては麻痺などの後遺症が残ることもあるため、かかりたくない病気のひとつでしょう。 …
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重篤な副作用に迅速に対処するために配布される「緊急安全性情報」
クスリは病気の治療に用いられるものですが、当連載でも何度かお話ししたように、体にとっては異物である以上、どのような副作用がどのようなタイミングで起こるのかはなかなかわかりません。中には命に関わるよう…
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ミネラルに影響するクスリを使っている人はカリウムの血中濃度に注意
高カリウム血症の原因として、摂取過剰、腎機能の低下、熱傷や外傷などによる細胞の破壊、そしてクスリの副作用が挙げられます。高齢者の場合は腎機能が低下していることが多いので、そこに他の要因が重なって高カ…
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高カリウム血症による不整脈は突然の心停止に陥る危険がある
心臓の筋肉である心筋も含めたわれわれの筋肉は、伸びたり縮んだり(弛緩と収縮)を繰り返しています。その一連の流れで、「ナトリウム」と「カリウム」は重要な役割を担っています。 最初に細胞の外にた…
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「カリウム」は多すぎても少なすぎてもいけない…バランスが大切
みなさんは「カリウム」という物質をご存じでしょうか? 「血圧を下げる効果があるからカリウムは取ったほうがいい」、あるいは「腎機能が低下している人はカリウムをあまり取らないほうがいい」といった話を耳に…
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「献血」で提供された血液から作られる“クスリ”がある
高齢者の中には、「献血」をしたことがあるという方もたくさんいらっしゃると思います。中には、逆に輸血を受けたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。 献血で提供された血液からは、輸血製剤(輸…
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薬剤師が行う「モニタリング」は安全な薬物療法に欠かせない
薬剤師の仕事はクスリを調剤したらそれで終わりではありません。そのクスリを使って何か副作用が出ていないか、クスリの効果は得られているか、ちゃんと服用できているのか(使えているのか)なども確認しなければ…
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薬剤師は「調剤」だけでも想像以上にたくさんの確認をしている
いきなりですが、薬剤師ってどんな仕事をしている職種かご存じでしょうか? 多くの方は「クスリを作る職種」とお答えになるのではないでしょうか。それも正解なのですが、じつはそれだけではありません。今回、次…
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稀な疾患に用いられる「オーファンドラッグ」が重要な理由
「オーファンドラッグ」という言葉を聞いたことがありますか? 日本語にすると「希少疾病用医薬品」で、その名の通り稀な疾患の治療に用いられるクスリのことです。 もしかしたら、現在使っているという方…
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「食品」ではなく「医薬品」として分類される栄養剤がある
「栄養剤」というと食品のイメージがあるかと思います。しかし、種類は多くはないものの、じつは医薬品に分類されるものもあります。 高齢で十分な栄養を食事で取れなくなった場合や、食べ物が食道ではなく…
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「点耳薬」はクスリが冷えた状態で絶対に使ってはいけない
みなさんの中には、「点耳薬」を使ったことがあるという方もいらっしゃるでしょう。また、今後もしかしたら使用することがあるかもしれません。今回はそういった時に役立つ情報だと思いますので、ぜひご一読くださ…
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「電子処方箋」には患者にとってメリットがいくつもある
みなさんは「電子処方箋」という名称を聞かれたことはありますでしょうか? もしかしたら、すでに利用したことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。 電子処方箋とは、文字通り従来は紙で発行し…
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長らく続くクスリの供給不足…治療に支障が出ないよう努力している
ここ数年、医薬品の供給が非常に不安定になっています。私の記憶が確かであれば、4年くらい前から不安定になり、現在もその状況が続いていますし、むしろ徐々に悪化している印象すらあります。 最初はバ…