不仲の金田監督と江夏豊が永平寺で寺籠り…我々虎番は“不謹慎”な賭けをした
「どや、しゃべったか」
「まだやな」
記者の挨拶はこんなふうに始まった。
福井へ向かう特急「雷鳥」はまもなく、永平寺へ主役の2人と我々記者を運んだ。
まさに精進料理である。水のように薄い吸い物のお椀に己の顔が映る。あの健啖家の江夏豊が生きて戻ってくるのか、なにより「座禅」であの太い両股を痛めて戻ってこないか。朝の4時、5時に本当に江夏が起きているのか。
「座禅してないで」
「賭けるか」
不謹慎な我々の前に1週間後、江夏は現れた。さぞ、心も洗われて……。
「煙くれ。たばこや」と言った江夏は帰りの「雷鳥」の食堂車でエビフライと焼き飯と、あと何かを注文していた。江夏はえなつ。変身していない江夏がなぜか頼もしく、可愛くて仕方がなかった。


















