著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツ記事の“お涙頂戴”には辟易するが…大の里と錦織圭、心に残った2つの涙

公開日: 更新日:

 週刊新潮が「大新聞にあふれる“ポエム記事”をどうにかしろ」と怒っていた。スポーツ記事のお涙頂戴に辟易する──案外誰もが思いながら、アンタッチャブルな問題である。

 1990年代の日本の報道は全国紙中心で、その販路拡張に向けてスポーツが使われた。明治末期から駅伝、マラソン、野球、庭球などが。90年代の全国大会は、ゲートボールに至るまで主催・後援に新聞社が名を連ねた。主催ゆえの没批判……お涙記事の背景には、きしんだレールに乗ってこそ全国隅々までスポーツが普及したという複雑な背景がある。

 さて、心に残る涙が2つあった。まずは大相撲秋場所の大の里だ。

 80年代半ばのことだが、ポルトガルの陸上選手と大相撲を見物した。大はしゃぎの選手が、千代の富士を見て急に、トレーニング、ドーピングと聞きだした──その男、ドミンゴス・カストロはポルトガル陸連会長になったいまも大の相撲好きだが、時代は変わった。スカウト網、栄養管理、サプリメント、筋トレ、ビデオ、海外巡業……実力伯仲で面白みが増し、満員御礼は330日以上継続中で、懸賞の垂れ幕がぐるぐる回ればごっつあん相撲など許されない。

 スポーツは時代に沿って形を変える。野球、バスケットボール、サッカー、柔道でさえ変わったが、相撲は変わらない。横綱は優勝が至上命令。3敗して驚かれ、4敗で休場が頭をかすめ、1桁勝ち星なら引退の声……。千秋楽決戦を制した土俵下、大の里が拭った涙は伝統の不条理だろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「救命病棟24時」江口洋介復帰で初回2ケタも…松嶋菜々子不在の第2シリーズが“歴代最高”、松雪泰子の「香坂先生」待望論

  2. 2

    寺脇康文→及川光博「相棒25」“途中交代”にフィナーレの予感… 歴代相棒集結を望むファンの期待と寂しさ

  3. 3

    グダグタの横浜市長選…「組織戦の“素人”候補vsカジノ争点化に躍起のパワハラ前職」の展開で終盤戦へ

  4. 4

    巨人が貧打解消へ「由伸2世」がドラ1候補に急浮上! 明大・榊原七斗は将来トリプルスリー狙える逸材

  5. 5

    ファン大注目の“匂わせカップル”鎮西寿々歌&ミセス大森元貴 2人揃ろって否定しても熱愛説が消えないワケ

  1. 6

    知らぬ間に医療情報ダダ漏れ…相次ぐサイバー攻撃に逆行する政府案「本人同意不要」の“大穴”

  2. 7

    萩本欽一〈54〉「桃屋」がスポンサーになった奇跡の裏側と「テレビの常識を覆した独自のスポンサー論」

  3. 8

    星野仙一監督が“外様”でも阪神を変えられたワケ…墓参り、大阪ナンバー、裏方の妻へカニ

  4. 9

    日テレ河村亮アナと菅谷大介アナは50代で死去…「俺たちの箱根駅伝」放送開始で改めて追悼の声

  5. 10

    星野仙一は阪神に残るつもりだったが…優勝で収入倍増も、電鉄の“閉鎖体質”は変わらなかった

おすすめ求人情報

土日祝休み/夜勤なし/在宅診療/看護師/正社員大今里ふれあいクリニック
医療法人快生会 大阪府 大阪市 正社員
月給35万円~45万円
在宅医療クリニックの医師
日の出医療福祉グループ 兵庫県 稲美町 契約社員
年収1,800万円
世界的スマホメーカーのカスタマーサポート/初日から完全在宅勤務/未経験OK/月給28万円~
TDCX Japan株式会社 神奈川県 横須賀市 正社員
月給28万1,228円~
看護師/准看護師・日勤のみ 残業ほぼなし マイカー通勤OK 利用者様が在宅療養を継続できるようサポートするお仕事です
たけうちクリニック 通所リハビリテーション 鹿児島県 姶良市 アルバイト・パート
時給1,150円~1,300円
Sponsored by 求人ボックス