マラソン
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その死から38年…瀬古利彦を育てた執念の勝負師・中村清を思う
川で転んであちこちをひどく打った。釣りをしていたわけではなく、清掃して滑ったのだ。情けないと、ずぶ濡れになった体で中村清を思い出した。 瀬古利彦の育ての親、長距離界に数々の足跡を残した名伯楽が釣行中に他界したのがこの時期、1...
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マラソン絶対王者キプチョゲのボストン6位敗戦を生んだ冷雨と寒さ
絶対王者が負けた。 現地17日のボストンマラソンは昨年覇者のエバンス・チェベト(ケニア)が2時間5分54秒で連覇を達成。それより驚いたのは、五輪連覇中で世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が6位に沈んだことだ。 ...
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マラソン絶対王者キプチョゲはボストンで「2時間切り」なるか? 山田敬蔵の優勝から70年
秋田の大館に行ってきた。 かつて黒鉱の鉱山で繁栄を極めた町もすっかりおとなしくなったが、白神山地や鳳凰山など四方を山に囲まれ、天の広いすがすがしい土地だ。明治期からの繁栄を背景に、この地は多くの陸上選手を輩出してきた。最近で...
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日本マラソン勢に“ニンジン作戦”は通用しない…世界陸上内定も成績と賞金額は無関係
日本陸連は27日、8月に行われる世界陸上ブダペスト大会のマラソン代表を発表した。男子は其田健也(29)、山下一貴(25)、西山和弥(24)。女子は松田瑞生(27)、加世田梨花(24)、佐藤早也伽(28)が選ばれた。第106回日本選手...
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MGCでのパリ五輪代表は“真の実力者”か…一発勝負選考を陸連自画自賛も東京五輪では惨敗
来年のパリ五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権が懸かった国内指定大会は12日で全日程を終了。出場権を得たのは男子62人、女子29人。今後は5月末までの海外大会などの記録で新たに出場権を獲得する可能性は...
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名古屋ウィメンズは“マラソンもどき” PM任せでケニア選手に大金献上した日本勢の体たらく
「一人旅のレースは少し寂しかった」 こう言ったのは優勝したルース・チェプンゲティッチ(ケニア=写真)だ。世界歴代2位の2時間14分18秒(男女混合)の記録を持つケニア選手は2時間18分8秒でゴール。昨年に続いての連覇はまさに圧...
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実力があればマラソンも金になる 名古屋ウィメンズは優勝賞金3375万円! V有力は前回覇者
5日の東京マラソンは男女ともアフリカ勢が優勝。マラソン大会では高額の1100万円の優勝賞金を獲得した。 日本勢トップは山下一貴(25)の7位。2時間5分51秒の時計は日本歴代3位だが、7位の賞金は40万円。股関節故障で欠場し...
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山下一貴が歴代3位で東京マラソン7位…日本人2人が2時間5分台でも世界の壁はまだ厚い
途中まで、アレ!? と思わせる展開だった。 国内の主要マラソンは、ペースメーカー(PM)が30キロで外れると外国人選手がペースを上げ、先頭集団についていた日本勢は置いていかれるのが常である。 今回は違った。30キロを...
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西山和弥が初マラソン日本最高記録でMGC切符ゲットも…心配事は「駅伝」との付き合い方
「日の丸を背負いたい」という西山和弥(24)が、26日の大阪マラソンで日本勢最高の6位に入った。 2時間6分45秒は初マラソンの日本最高記録。来年のパリ五輪マラソン代表選考会(MGC=10月15日)の出場権を獲得し、日本代表に...
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西山和弥が初マラソン日本最高タイム更新 大阪での2年連続記録は「高速コース」の恩恵
2年連続の記録だ。 西山和弥(24)が日本勢トップの6位でゴール。2時間6分45秒は初マラソンの日本最高記録を更新。7位の池田耀平(24)も2時間6分53秒をマーク。以前の日本最高は昨年覇者・星岳の2時間7分31秒だった。 ...
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新谷仁美のMGCボイコット宣言は至極まっとう 選手を国内に縛り付ける陸連の愚
今週は青梅マラソン、来週は大阪、再来週は東京、さらにその次は名古屋ウィメンズと、マラソンシーズン真っ盛りだ。 そんな折に面白い話を聞いた。今月12日に2年ぶりに香港マラソンが開催され、フル、ハーフ、10キロ、車椅子に4万人以...
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青学大・原監督もビックリ!2時間7分台の学生新記録“よこたっきゅう”が日の丸を背負う日
「よこたっきゅう全開です!」 テレビ中継の解説席で青学大の原監督が吠えた。 正月の箱根駅伝3位の青学で3区を走った横田俊吾(4年)が日本人2位の4位でゴール。2003年びわ湖毎日マラソンで中大の藤原正和(現中大監督)が...
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香川丸亀国際ハーフマラソン男女の記録 世陸や五輪につながる別府大分より気になるワケ
ニンジン効果はあるか。 5日号砲の別府大分毎日マラソンは、8月の世界陸上や来年のパリ五輪へ続くレースだ。前年の優勝者は西山雄介(28)。初マラソンで大会初の2時間7分台の記録で制し、同年の世界陸上に出場し13位だった。 ...
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女子マラソン新谷仁美「パリ五輪は出ない」明言も…陸連のラブコールに応じる可能性は?
凡戦に終わった大阪国際女子マラソンの29日の総括会見で、陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏は、15日のヒューストン・マラソンで日本歴代2位(2時間19分24秒)の好記録で優勝した新谷仁美(34)にこう呼びかけた。 ...
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大阪国際女子“記録コース”でも「2時間19分台」破れず…日本女子マラソンお先真っ暗
やっぱりダメだった。 29日の大阪国際女子マラソンの優勝はエチオピアのヘブンハイル・デッセ(24)。記録は2時間21分13秒だった。 【写真】この記事の関連写真を見る(10枚) 今年は3年ぶりに海外招待選手が参...
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大阪国際女子が12年ぶりコース変更&ペースメーカー復活…真冬レースで“記録狙い”の不毛
週末も寒そうだ。 今年のマラソンの主要大会は29日の大阪国際女子を皮切りに、2月5日別府大分、同26日大阪、3月の東京、名古屋ウィメンズと目白押しだ。いずれも8月の世界陸上ブダペスト大会代表選考会と来年のパリ五輪代表を一発で...
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パリ五輪にソッポの新谷仁美が狙うマラソン日本記録の疑問…女子に「2つの記録」存在のナゼ
知らない人は多い。 15日のヒューストン・マラソンを日本歴代2位の2時間19分24秒で優勝した新谷仁美(34)が23日、都内で会見。来年のパリ五輪を目指さない方針を改めて明言した。1万メートルとハーフマラソンの日本記録保持者...
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新谷仁美ヒューストン・マラソンV 日本歴代2位の好時計でもパリ五輪「出ない」明言のワケ
女子の1万メートルとハーフマラソンの日本記録を持つ新谷仁美(34=積水化学)は、15日のヒューストン・マラソンで日本歴代2位の2時間19分24秒で優勝。それでも、野口みずきが2005年にベルリンで樹立した日本記録(男女混合)に12秒...
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新谷仁美がヒューストン・マラソンV、日本歴代2位も悔し涙…新記録まであと12秒だった
ヒューストン・マラソンは15日、米テキサス州ヒューストンで行われ、女子の新谷仁美(34=積水化学)が、日本歴代2位の2時間19分24秒で優勝した。日本記録は野口みずきが2005年9月のベルリン・マラソンで出した2時間19分12秒。2...
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パリ五輪で最終日を飾る女子マラソンは史上最も過酷なレース確定…起伏が多い超難コース
20年ぶりのメダルはあるか。 世界陸連は9日、2024年パリ五輪(7月26日開幕)のタイムテーブルを発表した。花形種目の男子100メートル決勝は8月4日午後9時50分(日本時間5日午前4時50分)。女子マラソンは五輪史上初め...
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箱根1区15年ぶり区間新の中大エース吉居大和 マラソン転向のベストタイミングはいつ?
第99回東京箱根間往復大学駅伝(1月2、3日)に向け、前回総合6位の中大が19日に多摩キャンパスで会見を行った。今大会はエースの吉居大和(3年)と弟の駿恭(1年)らを軸に往路優勝と総合3位を目指すという。 兄の大和は今年の箱...
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昨年で終了のはずが…福岡国際マラソンが2度目の「終幕」を迎える日
この形でいつまでもつのか。 1947年創立の今大会は昨年75回で幕を閉じたが、陸連に協力を要請された福岡県などが汗をかき、存続が決定。今年も師走の福岡をエリート選手が駆け抜けたわけだが、根本的な問題は解決していない。 ...
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クイーンズ駅伝5度優勝の元監督が提言 「マラソンと駅伝選手はできるなら分けるべき」
実業団の女子駅伝日本一を決める27日の全日本実業団女子駅伝は、資生堂が2時間12分28秒の大会新記録で16年ぶり2度目の優勝を果たした。 見応えがあったのは最長のエース区間3区(10.9キロ)だ。先頭を走る東京五輪マラソン代...
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マラソン大会参加者減少の本当の理由 日本での火付け役・田中茂樹さんの死で改めて考える
秋空の下で走れる人はうらやましい。旅先でちょっと靴を履き替え、30分も走れば町の様子は分かり、横町に入って土地の生活も実感できる……ただ、マラソンの大会参加者は減少しているという。 移動規制で熱が冷めたとか、コロナ対策費用に...
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経済効果は22年度で3968億円!「市民マラソン」がカネを生む“カラクリ”と役割
さまざまな経済効果を算出している関大名誉教授の宮本勝浩氏(経済学)が、2022年度の「市民マラソン」の経済効果を約3968億円と算出した。これはコロナ以前の約55.7%の水準であるものの、コロナ禍により多数の市民マラソンが中止になっ...
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五輪切符懸かる夏レースは北海道マラソンのみ…なぜ陸連は“過去の惨敗”に学ばない?
3年ぶりに開催された北海道マラソンは、来年8月の世界陸上の代表選考を兼ね、2024年パリ五輪の選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC=23年秋開催)の出場権も懸かっていた。 男子は柏優吾(東洋大4年)が2...
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中国・王軍霞の世界記録を生んだのは「犬のシチュー」か、それとも禁止薬物だったのか
1993年に中国全国運動会で王軍霞が1万メートルで出した29分31秒78という記録は今でも世界歴代4位だ(現在の世界記録は29分1秒03)。当時は女子が1万メートルで30分を切ることなど想像すらできなかった。 その事実を新聞...
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90年代の女子長距離を席巻した中国「馬軍団」の練習に密着すると…“おかしな動き”が
昨年の東京五輪1万メートルで7位入賞の広中璃梨佳は、今回の世界陸上では日本歴代2位の30分39秒71でも12位。5000メートルで決勝へ進んだ田中希実も15人中12位に終わった。近年はマラソンもトラック競技もますますスピード化が進み...
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野口みずきは1年半でワコール退社し失業…資金難から出場した犬山ハーフをきっかけに開花
野口みずきが意外な才能を見せたのは失業中のことだ。 「おまえが何人か選手を募り、育て、うちから(全国)都道府県駅伝に代表を出し、京都を全国優勝させてくれ」 ワコールの塚本幸一社長(当時・後に会長)からこう言われたのが、...
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レース当日まで野口みずき本人にも黙っていた アテネ五輪での“大きな賭け”
2004年アテネ五輪本番(8月22日)の5日前に現地に入ると野口の動きはすこぶるよく、完全に仕上がっていた。「調子が下り坂になったらかなわんな」という思いから、1日でも早くレースが始まってほしかった。何度目かの試走のとき、その日はゴ...