数字が語る医療の真実
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                         ビタミンEとβカロテンの抗酸化作用ビタミンB1によるかっけの治療の歴史に始まった本欄のビタミンシリーズですが、今回のビタミンE、βカロテンをもって、一区切りということになりました。 ビタミンEとβカロテンはかつて最も有望なサ… 
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                         風邪にはビタミンD? 10万人中3000人が予防できる計算風邪の予防に対するビタミンCの効果は24のランダム化比較試験と統合したメタ分析によって検討されています。 プラセボ群での風邪の発生が48.3%に対し、ビタミンCのグループでの風邪の発生は52… 
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                         骨を形作るのに必須だが…ビタミンDは骨折を予防しないビタミンDは骨を形作る上で必須のビタミンです。ビタミンDが不足すると、「くる病」、「骨軟化症」という骨がもろくなって変形や痛みを来す病気になります。 このようにビタミンDは骨にとって必須です… 
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                         ビタミンCとがん 治療・予防に有効とする研究はあるのか大量のビタミンCはがんの予防に有効という説もあります。しかし、実際にそのような結果を示した質の高い研究はありません。50歳以上の内科医を対象に、500ミリグラムのビタミンCを投与して、8年間のがんの… 
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                         ビタミンCを取ると「風邪が1日早く治る」は本当か?ビタミンB1について取り上げてきましたが、今回からはビタミンCです。ビタミンCの欠乏は、「壊血病」といって、貧血を来し、粘膜に異常が表れ、傷の治りが悪くなり、感染症にかかりやすくなるという状態を招き… 
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                         ランダム化比較試験は常に適切な方法といえるのか敗血症に対して、ビタミンCとB1を投与して、死亡率を下げたという研究があります。しかし、それは介入前後研究によるものでバイアスの可能性があります。そこでバイアスを除いて科学的に検討するために、ランダ… 
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                         敗血症にはビタミンCとB1が有効との最新研究がかっけにおける高木兼寛の研究は、洋食を導入した前後で戦艦の乗組員のかっけがどれくらい予防できるかというものでした。これは「介入前後研究」と呼ばれ、現在でもしばしば用いられる方法です。ただし、治療効果… 
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                         ディオバン事件と東大 かっけ予防の教訓は生かされているのかディオバン事件についての記述の最後に、慈恵医大を設立した高木兼寛らの研究結果を無視し続け、かっけの予防を最後まで邪魔した東大が、この事件にどのようにかかわったかをまとめておきたいと思います。 … 
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                         ディオバン事件のその後 日本では論文捏造は罪にならず?ディオバン事件は、高木兼寛の業績が今の医学会においても無視され続けている現状をあからさまにしています。論理の証拠を重視し、事実の証拠を軽視し、「事実など捏造してしまえばよい」という変わらぬ状況です。… 
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                         ディオバン捏造もう一つの側面 かっけ論争から何も学ばず今から4年前、「ディオバン」という降圧薬の臨床試験でデータの捏造が明らかになりました。慈恵医大、京都府立医大、千葉大(関係者はのちに東大へ移動)、滋賀医大、名古屋大の5つの大学が関係し、その一部でデ… 
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                         「根拠に基づく医療」の授業は臨床医が行うべきではないか私が医学部で教育を受けたのは今から30年以上前の1980年代です。その時に「かっけ論争」について学んだ記憶はありません。 しかしはっきりしていることは、私が受けた医学教育は、どのようなメカニ… 
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                         現代の医学にいまも色濃く残る「論理重視」の風潮「論理を証拠とするのが科学的」――。つまり原因を突き止めなくては科学的な医療を行うことができない、という考え方は一見科学的なように思えます。しかし、原因を突き止めるためには、事実の詳細な観察と検討が必… 
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                         「根拠に基づく医療」はかっけ論争の反省抜きには語れない長々と取り上げてきたかっけの論争は、日本の医学の歴史を語る上で最も重要な事件であるだけでなく、医療自体の基盤にある最も根本的な考え方そのものを問う点において、重大な教訓をはらんでいます。 そ… 
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                         その後の「かっけ」減少までの長い道のり長々とかっけについて書いてきましたが、そろそろ終わりが近いようです。 都築甚之助がアンチベリベリンと呼び、鈴木梅太郎がオリザニンと名付け、フンクがビタミンと呼んだ抗かっけ物質は、1926年、… 
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                         かっけの臨床試験 大森憲太式はなぜ非難されるのか?前回、麦飯と白米でかっけの発症を比較した島薗順次郎の方法を「臨床試験」と書き、ビタミンB1欠乏食でかっけを発症させて、その後ビタミンB1の摂取で回復するかどうかを検討した大森憲太の方法を「人体実験」… 
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                         人体実験のよるかっけの実証は慶応でなければできなかった島薗順次郎のいささかパッとしない「オリザニン」の臨床試験の2年後の1921年、東大から移って慶応大学の助教授となった大森憲太が、新たな実験を行いました。 彼は東大時代に米ぬかエキスの大量投与… 
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                         かっけ克服の転機になった島薗順次郎のあいまいデータかっけ栄養不足説の反対の中心で、鈴木梅太郎のオリザニン抽出以降も臨床試験を行わず、かっけ治療の進歩に反対し続けていた東大の医科大学(当時は医学部と言わなかった)の学長青山胤通が1917年に亡くなりま… 
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                         【かっけ】日本の学者の無理解が世界的大手柄を奪った鈴木梅太郎のオリザニンや都築甚之助のアンチベリベリンの精製は、日本のかっけ治療の研究の王道から無視され続けました。これに対して、インドネシアに派遣されたエイクマンのニワトリの研究やフォルデルマンの囚… 
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                         農学部教授の「オリザニン」発見を無視した日本の医学者臨時脚気病調査会が「かっけ栄養不足説」を否定し続ける中、日本でも栄養不足説に沿って研究をする人たちが現れます。そのひとりは前回登場した都築甚之助で、1914年に米ぬかから有効成分を抽出し「アンチベリ… 
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                         【かっけ】鶏のかっけに似た病気とは人間のかっけは別物かっけが玄米によって消滅するというニワトリの実験の結果が日本に届いたのは、1897年のことでした。もともとオランダ語であったこの論文がドイツ語に訳され、再報告されるのに時間がかかったのです。 … 

 
                             
                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
        