著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

敗血症にはビタミンCとB1が有効との最新研究が

公開日: 更新日:

 かっけにおける高木兼寛の研究は、洋食を導入した前後で戦艦の乗組員のかっけがどれくらい予防できるかというものでした。これは「介入前後研究」と呼ばれ、現在でもしばしば用いられる方法です。ただし、治療効果評価の王道であるランダム化比較試験に比べて、バイアス(考え方や意見に偏りを感じさせるもの)の影響を受けやすいという決定的な問題があります。高木らの研究に対して、森林太郎が指摘したのはまさにこの点でした。かっけの予防効果が、日本食を洋食に変更したためというには、かっけが多発した戦艦「龍驤」とかっけがほとんどなかった「筑波」において、日本食、洋食以外には何一つ違いがあってはいけないわけです。他に何か違いがあれば、かっけ予防の効果は食事の違い以外の違いによるものかもしれないからです。

 こうした隠れた因子の違いを除くことができる点で、ランダム化が用いられるようになったのですが、すべての治療効果がランダム化比較試験で検討されるべきというわけでもありません。ランダム化比較試験が行われなくても、かっけに対する洋食、麦飯やぬかの効果はすでに明らかだったことをここまで長々と書いてきたわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  2. 2

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 3

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  4. 4

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  5. 5

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  1. 6

    樹木希林に不倫を暴露された久世光彦

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希またも“自己中発言”で捕手批判? 露呈した「人間性の問題」は制球難より深刻

  3. 8

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  4. 9

    【独自】急死の中山美穂さん“育ての親”が今朝明かしたデビュー秘話…「両親に立派な家を建ててあげたい!」

  5. 10

    柳楽優弥「九条の大罪」23歳新人が大バズり! 配信ドラマに才能流出→地上波テレビの“終わりの始まり”