佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し
あす23日のドラフト会議で、1位指名されるともっぱらなのが米スタンフォード大の佐々木麟太郎(20)だ。
花巻東(岩手)時代は高校通算140本塁打。2023年のドラフト1位候補だったが、米国留学を選択。1年目のリーグ戦の成績は52試合の出場で打率.269、7本塁打、41打点。7本塁打はチーム内で4位、41打点は3位だった。
その後、米大学サマーリーグの最高峰「ケープコッドリーグ」に参加したものの、10試合で打率.107、2本塁打、6打点。不甲斐ない成績に終わったためか、本人の意思で途中退団して個人練習と体づくりに励むという。
これまでは米国の大学生が日本のドラフト対象になるという明確な規定がなかった。しかし、今年、NPBから12球団に対して佐々木が今秋のドラフト対象になる旨の通達があった。佐々木は来年26年7月のメジャードラフトの対象選手でもあるため、米球団入りの意思があれば、それが終わるまで指名した日本のプロ球団は待つ必要がある。にもかかわらず、巨人、ソフトバンク、西武などは米国にスカウトを派遣して佐々木をチェックしたのは、それなりの勝算があるからだろう。
「金属バットを使ってあのリーグ戦の成績では、来年のメジャードラフトの上位指名は難しい。高校時代から内角の速球は苦にしていたし、あの体格(184センチ、122キロ)では必然的にポジションはDHか一塁に限られてしまう。だとすれば打率はもちろん、長打力も含めて物足りない」とはア・リーグのスカウト。
野球文化学会会長で名城大教授の鈴村裕輔氏もこう言った。
「今年の米ドラフトに向けたアマチュア選手のランキングでは、一塁手部門15位。全体で上位の50位から外れていました。1年生ながら地域のトップリーグのチームでレギュラーを務めていることは評価されますが、ポストシーズンでも結果を出せずにチームは3連敗、佐々木は大舞台での活躍も疑問視されています。あの体形から本塁打王と打点王を獲得したプリンス・フィルダーや通算541本塁打のデービッド・オルティスのような姿を期待する声もあったものの、そこまでのトッププロスペクトという捉え方はされていません」
来年2月にスタートする2年目のリーグ戦で派手な活躍をすればともかく、メジャー球団の佐々木に対する現時点での評価は芳しくないようなのだ。