がん
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肥満・糖尿病・脂肪肝は「肝がん」のリスクを上げる…がん死亡数では第5位
がん死亡数第5位の肝がんは、肥満の人にリスクが高い病気だ。知っておくべきことを、東京大学消化器内科の建石良介医師に聞いた。 ◇ ◇ ◇ 肝がんには、肝臓自体から発症する原発性肝がんと、他臓器にできたがんが転移して...
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「陽子線超小型装置」普及で広がる治療の可能性 江戸川病院で1号機導入へ
陽子線治療をご存じですか。放射線治療のひとつで、従来のX線に比べてがんにより高いエネルギーをピンポイントで照射できるためとても効果的ですが、がん患者が多い東京にはその施設がありませんでした。 今後、東京をはじめ都市部で陽子線...
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「仁者は憂えず」の書を見て自分は毎日憂えていると思った
以前、私は「化学療法科」(現・腫瘍内科)に勤務し、抗がん剤治療、緩和医療にあたってきました。白血病や悪性リンパ腫の患者の多くは頑張って良くなり元気で退院されるのですが、手術後にがんが再発、あるいは転移して終末期にある患者の場合は、な...
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日本人に多い「胆道がん」 γ-GTPやALPが高ければ超音波検査を
胆道がんは、東アジアや南アメリカで罹患率が高く、特に日本人は他の東アジア人やアメリカの日系人と比較して罹患率が高い傾向にある。横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科学主任教授の遠藤格医師に話を聞いた。 肝臓で作られた胆汁を流す管...
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歌手・水木一郎さんが他界…肺がんの脳転移は放射線と薬の順番で予後が変わる
歌手・水木一郎さんの命を奪ったのは、肺がんでした。享年74。先月27日にライブでステージに上がってから9日後の訃報でした。肺がんは罹患数2位、死亡数1位で、日本人に多いがんですから、人ごとではありません。 報道などによると、...
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年の暮れに届いた喪中はがきで頭に思い浮かぶ旧友との思い出
毎年、暮れが近づくと「喪中はがき」が届きます。親戚のだれだれが亡くなって……などと書いてあれば分かるのですが、それがないと「どなたが亡くなったのだろう」と気になってしまいます。「母が97歳で……」とか、「祖父が93歳で……」といった...
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死亡率ワースト「膵がん」助かるために知っておくべきポイント4つ…名医が教える
富山大学付属病院は、膵がん治療の名医として知られる藤井努医師が2017年に消化器外科教授として着任。続いて18年、同じく膵がん治療の名医、安田一朗医師が消化器内科教授に着任し、外科・内科の専門医が揃う日本初の膵臓・胆道センターが設立...
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大腸がんの罹患率や死亡率 生活習慣の影響は遺伝的影響を上回るのか?
今回こそはベスト8へ。サッカーW杯で日本代表はドイツとスペインを破っただけに、期待が大きかったですが、クロアチアにPK負け。決勝トーナメント1勝して、8強入りの夢は持ち越しです。 それで思い出したことがあります。1970年の...
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医師の原点“慈しみ”の対極にあるのが“怨み”なのだろうか
ある病院のスタッフからこんなメールが届きました。 「先生、コロナ感染者がまた増えてきています。昨日から近くの内科医院のM先生が陽性となって休診されています。とっても気をつけている先生だと思っていましたが、どうも家族から感染した...
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ユーチューバー辻トオルさん肺がんとの闘い「3カ月から半年前の発症でステージ4…驚きでした」
「肺がんの疑いが強い」と診断されたとき、すでに副腎と右肋骨にも転移がある状態で、「ステージ4」と告げられました。当時、自分はその意味がわからず「ステージ4って軽いのですか? 重いのですか?」と医師に聞きました。すると、「末期です」との...
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崔洋一監督が他界…「膀胱がん」の再発チェックはM時開脚で
映画監督・崔洋一さんの命を奪ったのは、膀胱(ぼうこう)がんでした。3年前にがんが見つかると、全摘されたそうですが、昨年春にリンパ節などへの転移が見つかり、今年1月になって、新たな抗がん剤治療を受けていることを公表。先月27日、自宅で...
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諦めないがん治療には「ハイパーサーミア療法」 負担が軽く高い効果
がんはさまざまな治療法を適切に選択しコントロールする病気になりつつある。そんな考え方が当たり前の時代になってきた。全国がんセンター協議会の生存率共同調査(2020年)では相対5年生存率は70%に近づいており、「がんは治る」と考える人...
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高齢者や終末期患者の抗がん剤の飲み方を考える 在宅医療の名医が解説
前回、高血圧や糖尿病の薬は、年齢、体重、食べる量、運動量の変化に合わせて替えていくべきで、「一生同じように飲み続けなくてはいけない薬はない」という話を「しろひげ在宅診療所」(東京都江戸川区)の山中光茂院長に聞いた。山中院長は毎年20...
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病理学教授の講義は命の尊さと医師のあり方を教えてくれた
古いお話になりますが、この記録は1967年4月13日に行われた佐藤光永教授による病理学講義の初回の内容です。 当時、医学部3年生だった私は感激して必死に筆記したものです(これは私のノートであり、間違っている箇所があれば私の責任です)...
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皮膚がんの病院選びは形成外科の実力も重要 ドイツ代表GKノイアーは3度手術
サッカーW杯の初戦で日本と対戦したドイツのGKノイアーは、カタールの日差しを気にしているようです。今月2日、自らのSNSで顔の皮膚がんで3度の手術を受けていたことを告白。開幕前の記者会見では「しっかり日焼け止めを塗ることが大事」と語...
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がんの末期に生じる痛みは「在宅」でもしっかりコントロールする
入院する病院から自宅へ移られ、在宅医療を開始される患者さんの中には、がんの末期といわれる状態の方も少なからずいます。 このがんの末期について、厚労省は「治癒を目指した治療に反応せず、進行性かつ治癒困難または治癒不能と考えられ...
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入院5回目のがん患者は孫の動画を見て「一緒に歌う」と心に決めた
Fさんは、鉄道会社を定年退職した6年前から、肝硬変・肝臓がんの治療のためP総合病院の肝臓内科に通院しています。そのFさんが3年ぶりに入院治療を受けた時のお話です。 「今回が5回目の入院治療でした。前回まではラジオ波でがんを焼き...
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前立腺がんは遺伝子変異が関係?予防的摘出も W杯オランダ代表監督は放射線で克服
サッカーW杯カタール大会が20日に開幕します。私は暁星小中高時代にサッカー部でしたから、大のサッカーファン。日本戦はもちろん、サッカー強豪国の試合がとても楽しみです。 そんな中、注目しているのがオランダ代表のファンハール監督...
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治療ガイドラインはエビデンス=科学的な証拠を基につくられる
「その治療が効くって本当ですか? エビデンスはあるのですか?」 「その治療のエビデンスはないと思います」 こんな会話を耳にすることがあります。 エビデンスがあるのか、ないのか──。エビデンスとは「証拠」のことです...
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睡眠時間が乳がんの危険度に関係 メラトニン分泌の減少が原因か
睡眠が、日本人の死因第1位であるがんに影響を与えることを示唆する研究が発表されている。国際医療福祉大学熱海病院臨床検査部の〆谷直人部長に聞いた。 ◇ ◇ ◇ 「2008年にBritish Journal of Ca...
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天皇陛下の検査報道で注目 前立腺がん「PSA」と「MRI」の位置づけ
天皇陛下が前立腺を調べるためMRI検査を受けたところ、前立腺肥大でした。宮内庁は「特に懸念される所見はない」としていますが、月内に組織検査を受けるそうです。半年に1回ほど血液検査でPSAをチェック。その数値がやや高く、MRI検査に進...
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薬もいくつかつくられたが…キノコはがんに効くのだろうか
雨の日が続いたある朝、狭い庭の畑にキノコの塊を3カ所見つけました。前日まではまったく見ませんでしたから、夜中に急に出てきたのでしょう。結構、たくさんあるのです。畑の中というよりも、歩く道、砂利の中に生えています。 家には2冊...
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中居正広さん激ヤセで注目の「盲腸がん」は大腸の中でも最奥に発生する
元SMAPリーダー、中居正広さん(50)の体調不良の原因は盲腸がん──。激ヤセぶりに加え、週刊誌の報道もあってさまざまな臆測が流れているが、真偽は別にして、盲腸がんはどんな病気なのか? 京都府立医科大学大学院生体免疫栄養学の内藤裕二...
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すべての病院で「厳しい」と言われ…格闘家の高須将大さん肝臓がんとの苦闘
2017年、1回目の手術前はがんの知識がほとんどなかったので、腫瘍を取れば治るものだと思っていました。でも、そこから約2年半の間に再発と転移を繰り返し、肝臓の開腹手術2回、抗がん剤治療2回、肺の手術2回を経験しました。「余命宣告」も...
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長崎大病院で医療事故…「ロボット手術」の安全性と医療施設の選択基準
長崎大学病院での医療事故が報じられました。報道によると、今年7月、県内の女性(当時54)が子宮体がんのため手術支援ロボット・ダビンチを使って子宮を全摘。8月1日に退院し3日後、下半身から大量出血し、出血性ショックで亡くなったそうです...
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がん免疫療法に新たなワクチン材料開発 少量で成長を抑制と大阪公立大が発表
大阪公立大の研究グループは2日までに、がんを攻撃する免疫細胞を、少量で効果的に活性化させるワクチン材料を開発したと発表した。実用化できれば、現在は2~3割にしか効かないがん免疫療法の適用患者を拡大できる可能性があるという。研究結果は...
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「はなかみ先生」の思い出 あの頃は鼻汁を垂らした子供がたくさんいた
私がまだ、小学校に入学する前のお話です。 山形にある実家の前は田んぼで、町や駅の方へは少し盛り上がった踏切を越えて行きます。線路の向こうには、魚屋があって、その奥に母の実家がありました。砂利道でしたが、夏はアイスキャンディー...
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子宮頸がんステージ2bで手術はNG 世界標準を無視して被害も
「マザーキラー」をご存じでしょうか。子宮頚がんのことです。毎年1万1000人が罹患(りかん)するこのがんは、若い女性に多く、30代までが4割を占めています。出産年齢の女性の命を奪うため、そう呼ばれるのです。女優の原千晶さん(48)がこ...
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乳がん経験者だからわかること(下)予想外の出費で悲鳴 ウィッグは50万~60万円
乳がん経験者であるファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん(53)、たなかなおさん(45)、インスタグラムで乳がん経験について発信するEMIさん(35)の3人に聞く第2弾だ。 ◇ ◇ ◇ ■乳がん初発で標準治療の場...
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医学生のリポートを読んで思い出す医学部受験での出来事
私は年1回、某大学医学部生に「がん診療における患者の生と死」という題で、講義をする機会をいただいています。 2年前はコロナ禍で中止、その後はWEB講義となりました。講義の1カ月後に、約100人の学生が、授業の感想、医師を目指...