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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

高橋幸宏さんは70歳で他界…脳腫瘍は原発性の方が転移性より手術が難しい

公開日: 更新日:

 YMOのメンバーでドラマーの高橋幸宏さんが70年の生涯を閉じたと報じられました。大ヒットした「ライディーン」の作曲を手掛けたほか、ファッションリーダーとしても有名で、若いころは私もその着こなしをまねたものです。

 死因は、誤嚥肺炎といいます。病気や加齢などで飲み下す機能が衰えると、水や食べたものなどが誤って気管に落ちることがあります。それで生じる肺炎です。

 振り返ると高橋さんは2020年に断続的な頭痛から脳腫瘍が判明。手術で切除しています。しかし、推測ですが、早過ぎる最期は、脳腫瘍の影響があったかもしれません。

 脳腫瘍は、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍に分けられます。転移性は、ほかのがんから転移したタイプです。報道された経過からみると、原発性でしょう。

 脳腫瘍は、ほかのがんのようにステージ分類がなく、悪性度で評価します。良性はほとんどが悪性度1で、脳を覆う髄膜にできる髄膜腫や下垂体に発生する下垂体腺腫など。良性なら手術で切除すれば、再発はまれです。

 2~4が悪性の脳腫瘍になります。数字が大きいほど性質が悪いのですが、そもそも原発性は転移性に比べて治療が難しいことが珍しくありません。

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