がん
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化学療法の前に受精卵の凍結保存を選び授かった子供が希望になった
医療従事者のMさん(43歳・男性)は、ある病院で悪性リンパ腫の診断を受けました。奥さんは35歳、結婚してまだ3カ月でした。 Mさんは全身化学療法を行う前に奥さんと一緒に産科のある病院に行き、受精卵の凍結保存をすることにしまし...
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悪性球腫で右脚の中身は人工物に…演出ディレクター栗栖良依さんはそれでも夢を叶えた
右脚は外側だけ本物で、中身は太ももの真ん中からすね辺りまで筋肉を含めてすべて人工物に置き換わっています。2010年2月に受けた人工関節置換術は16時間の大手術でした。 右脚の膝関節が痛いと思い始めたのは09年の秋ごろです。近...
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ビタミンDでがん死亡率12%減 夏は10分散歩で十分量を合成できる
5月も半ばになり、日差しが強くなってきました。日光に含まれる紫外線を利用して皮膚でつくられるのがビタミンDで、そのビタミンDをめぐって興味深い研究結果が発表されました。 東京慈恵医大の研究チームは独がん研究センターや米ハーバ...
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末期がんの主人のさっぱりした顔を見て家に帰ってよかったと思った
親しい知人の奥さんからの電話相談です。 ◇ ◇ ◇ 夫は70歳、20年前に直腸がんの手術を行い、左下腹部にストーマがあります。最近、そのストーマからの出血があり、背中の痛みもあって入院して病院で輸血を受けました。...
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結果は残念だったが…ライバル薬の比較臨床は有意義だった
4月28日、国立がん研究センターを中心とした研究グループ(JCOG)が、肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の第3相臨床を中止したと発表した。解説したい。 まずは臨床試験の概要だ。対象は再発、あるいは進行した未治療の肺が...
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若年性脳卒中は発症から1年以内でがんリスクが増加する
脳卒中というのは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって起こる脳の病気の代表で、血管が詰まる脳梗塞と、血管が破れる脳出血とに分かれます。 通常、脳卒中は脳の動脈硬化に伴って起こることが多く、そのため50歳以上で発症する...
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秋野暢子さんは「鬼退治終了」…食道がんは外科医の手術誘導をうのみにしない
「最終検査のPET/CTの結果、昨年6月に見つかった7個のがんがきれいに消えてました」 今月24日、ブログにこうつづったのは、女優の秋野暢子さん(66)です。ステージ3の頚部食道がんと診断されてから、放射線と抗がん剤を併用する...
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がんで亡くなった先輩の思い出…内視鏡検査が抜群に上手だった
私が大学の医学部を卒業して、半年後に赴任した病院にS先輩がいました。その病院の内科は主に消化器のグループでスタッフは7人、結核などの感染症以外の患者を受け入れていました。S先輩は上から4番目、私はいちばん下の7番目です。このグループ...
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乳がんを克服した藤森香衣さん「亡くなった友人の言葉が救ってくれた」
「ステージ0期の非浸潤」という超早期発見だったので、治療は右胸の全摘手術だけ。入院は9日間でした。それだけ聞くと簡単に治ったようですけど、不安や迷いは数多くありました。今なら、「そこは心配しなくていいよ」と言えることもたくさんあるし、...
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“ぴんぴんコロリ”とがんで死にたい 専門医の私も実感している
死ぬなら、やっぱりがんがいい──。改めてそう思わせる報道が相次いでいます。 今月15日に肺がんでこの世を去った歌舞伎俳優の市川左団次さんは、2日開幕の歌舞伎座公演に向けて直前まで稽古に励んでいたそうです。 17日放送...
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心臓疾患を発症したがん患者はまず心臓の治療を行うのが原則
よく使われている抗がん剤の中には心臓に対する毒性が認められるタイプがあり、副作用として心不全を起こすケースがあります。中でも「アントラサイクリン系」の抗がん剤は、使用している患者さんの約10%で副作用として心臓の機能に障害が起こり、...
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老化した体のあちこちが気になってルーティンワークが増えた
Gさん(70歳・男性)は会社をリタイアして5年になります。そんなGさんの毎日のルーティンワークを紹介します。 朝、起きて、ヒゲを剃り、顔を洗います。そして朝食後に歯を磨きます。 朝食はパンですが、食べ方があります。厚切りのト...
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古村比呂さんがつらさを吐露 女性のがんは夫のサポート次第で夫婦関係に明暗
読者の中にも、妻ががんになってつらい思いをされた人がいるかもしれません。子宮頚がんの再々再発で闘病中の女優の古村比呂さん(57)は子宮の日(4月9日)に合わせてブログを更新。子宮を全摘したときの気持ちを吐露しています。 「子宮...
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担当医の栄転を手放しには祝福できない…がん患者の複雑な心境
Bさん(68歳・男性)は、ある病院で膵臓がんの手術を受け、退院後は消化器外来に通院しています。 この4月のことです。担当のS医師から「次回の診察は6月に予約しますが、僕は九州の方の病院に転勤することになりました。6月から担当...
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善本考香さん 子宮頸がんで転移と再発を繰り返し…「ただ死ぬのが怖かった」
治療しても治療しても、転移・再発を繰り返しました。余命宣告もされましたし、「ここまでして生きる意味ある?」と思ったこともあります。でも、諦められなかったんです。自分の命を自分で救いたかった。治療を続けられたのは「娘のため」なんてきれ...
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「つらい。もう、逝かせてくれ」坂本龍一さんの闘病生活が伝える教訓
音楽家坂本龍一さんの訃報は、世界中を涙で濡らしています。享年71。私も大好きだっただけに、残念でなりません。しかし、その闘病ぶりは、がん専門医の私から見てとても示唆に富んでいます。 坂本さんは2014年に中咽頭がんを患い、放...
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がんの診断・治療はゲノム医療と新世代コンピューターが個別化治療を実現する
がんとは正常な細胞の遺伝子が傷ついてできた異常な細胞が無秩序に増え続ける病気のこと。かつては「病の帝王」と言われ、かかると必ず死ぬと思われてきたが、いまはがんで死亡する確率は、男性で26.7%、女性は17.8%と過去に比べて低くなっ...
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「家に帰りたい」と漏らす大腸がんの夫…看護と介護を決めた妻の思い
大腸がんの治療を受けている男性患者(75歳)の奥さんのお話です。 ◇ ◇ ◇ 抗がん剤治療の予定だったのに、担当医から「体力的にもう無理です」と言われ、入院している夫も「家に帰りたい」と言います。 転移し...
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小倉一郎さん肺がんとの闘い「子供たちに伝えたとき、ガマンしていた涙がワーッと」
去年3月、ステージ4の「肺がん」と宣告されました。判明したきっかけは骨折でした。一昨年12月、ドラマ「さすらい署長 風間昭平」(テレビ東京系)のロケ先の福島で、移動車のレールの枕木の下に右足先が入り込んでひっくり返り、右足首を骨折し...
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前立腺がんの新たな血液検査の利用価値 PSA検査より高精度
男性も年を重ねると、前立腺の異常を心配するかもしれません。そこにできる腫瘍が前立腺がんで、PSA検査で調べることができます。採血で測定できるため簡便ですが検査精度に問題があることがネック。このほど弘前大の研究グループが、より精度の高...
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「4」が気になる…末期がんで緩和病棟に入った男性の心境
Cさん(53歳・男性)は、大腸がんと闘って3年になります。肝臓や骨盤内に転移が多数あり、今は下肢の浮腫に悩んでとうとう治療を諦め、ひとりでは暮らせないことから緩和病棟へ入院させてもらいました。 そんなCさんの日記の一部です。...
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KANの告白で話題 「メッケル憩室がん」は転移なければ手術で治癒も
「愛は勝つ」などのヒット曲で知られるシンガー・ソングライターのKANさん(60)が、メッケル憩室がんであることを公表し、話題を呼んでいます。聞きなれない病名だけに、皆さんも驚かれたかもしれません。 憩室は、腸などの壁の一部が袋...
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「マイクロCTC検査」で全身のがんを早期発見 1回5分の採血でOK
日本人の2人に1人が発症し、40代以降で最も死亡率が高いのが「がん」である。5大がん(肺がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がん)では、ステージ1で発見された場合の5年生存率が94%なのに対し、ステージ4まで進行していた場合では23...
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元芸人の宮野貴至さんは希少がんで左腕切断を即決…実はイキッていた
「類上皮血管肉腫」は100万人に1人、「類上皮肉腫」は年間罹患数20~30人という希少がんで、両方を発症したケースは、今のところWHO(世界保健機関)には報告がないそうです。世界でたった1人の病気にかかりました。 初めは左手の...
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扇千景さんが他界 食道胃接合部がんはピロリ除菌とメタボで増加
初代国交相や女性初の参院議長など要職を歴任された元国会議員・扇千景さんの訃報が報じられました。死因は、食道胃接合部がん。卒寿手前の89歳でした。 食道と胃のつなぎ目は食道胃接合部と呼ばれます。その上下2センチの領域に発生した...
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末期がんの男性は食事が中止になり「死が近づいた」と思った
Kさん(68歳・男性)は手術不能の胃がんで、消化器内科に入院していました。薬物治療を2次治療まで行いましたが、効果がなく断念しました。腹水がたまってきて、食事はわずかしか取れなくなり、がん性腹膜炎に進んだとのことでした。 腹...
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精巣がんでは精子凍結保存で抗がん剤治療後の子づくりに備える
精巣にがんが……。そんな診断を受けたら、男性は男としての行く末を考えるかもしれません。そのがんと闘っているのが、ダルビッシュ賢太さん(31)。そう、WBC日本代表で投手陣の大黒柱・ダルビッシュ有さん(36)の弟で、SNSに抗がん剤の...
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命を考える──恩師の人柄と考えに触れて思わされたこと
ある年の4月、某大学のT教授の定年退官記念パーティーが開催され、お世話になった私はその会に出席しました。近い座席に、私の母校の産婦人科教授だった品川信良先生がおられました。先生はおそらく80歳代の後半になっていたと思いますが、お元気...
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9人に1人が乳がんを罹患 10年生存率をほぼ100%を可能にするポイント
30~64歳の女性のがん死亡数1位が乳がんだ。40歳以上から急増し、働き盛りや子育て真っ最中の世代もかかる。 「乳がんは10年前は20人に1人が発症する病気でしたが、今の罹患率は9人に1人。身近な人がかかったため不安で、と乳が...
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糟谷悟さんは悪性リンパ腫を克服「ランナーでなければ気づけなかった」
「調べられる検査はなんでもしてください。自分は絶対、病気だから」 そう医師に訴えて、やっと見つけてもらった「悪性リンパ腫」でした。ステージは2。割と早く気づいた方だと思います。 それは2013年でした。ランナーとして走...
