五木寛之 流されゆく日々
-

連載12386回 庄司薫さんとの対話 <4>
(昨日のつづき) この庄司さんとの対談が、いつやったのかがはっきりしない。 当時、私はよく自分でハンドルを握って、横浜/京都間を往復していたのだが、そのときいちばん気になったのは、車の最高速度…
-

連載12385回 庄司薫さんとの対話 <3>
(昨日のつづき) 庄司薫さんは一般には一世を風靡した『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1969)ばかりが話題になるが、文芸ジャーナリズムへのデビューは、私よりはるかに早い。 大学在学中に世に出た作家…
-

連載12384回 庄司薫さんとの対話 <2>
(昨日のつづき) 対談をした当時、庄司さんはシトロエンSMに乗っていた。すでに4万7000キロも走っているという。 その愛車について語りだした庄司さんの口調は、ただの外車マニアではなかった。 …
-

連載12383回 庄司薫さんとの対話 <1>
きのうは旧友、正岡貞雄さんと久しぶりに会った。 正岡さんは、私が若い頃のカー・ライフのリーダーをつとめてくれたクルマ雑誌の元編集長で、一緒に外国を車で走り回った仲間である。 こんど私が出した…
-

連載12382回 昭和が去ってゆく <5>
(昨日のつづき) 先日、若い編集者に、 「ほら、あの、希望という名の──、という歌があるだろ。藤田敏雄さん作詞の──」 と、言ったら、 「さあ、知らないけど」 と言う。 「岸洋子のう…
-

連載12381回 昭和が去ってゆく <4>
(昨日のつづき) しかし、時代が過ぎ去っていくのは当り前のことだ。モノも変るし、ヒトも逝く。 人が消えていくのは別に問題はないが、その人間が抱えている体験の記憶も一緒に消えていくのが問題だ。 …
-

連載12380回 昭和が去ってゆく <3>
(昨日のつづき) 昭和の風景を彩るものの一つに、<喫茶店>があった。 最近はカフェとか、コーヒーショップとか呼ぶが、カフェと喫茶店とは、なんとなくちがう。 カフェはコーヒーや会話を娯しむと…
-

連載12379回 昭和が去ってゆく <2>
(昨日のつづき) 美輪さんについてのコメントを求める電話が、あちこちからかかってくる。 同じことを何度も喋るのがイヤなので、ぜんぶご辞退。 そもそもこの歳になると、記憶が曖昧で、データを調…
-

連載12378回 昭和が去ってゆく <1>
美輪明宏さんの訃報を聞いた。 昭和が静かに去っていく実感があった。 すでに過去となった昭和だが、その余波がさまざまに続いている。 しかし、いよいよ昭和が遠景に退場していく時期にさしかかっ…
-

連載12377回 横山剣さんとの新刊──「口笛を吹きながら夜を行け」── <5>
(昨日のつづき) きょうは雨。 私がむかし書いた小説に『雨の日には車をみがいて』という、長い題名のやつがあった。作品のできはともかく、自分の作品の中では気に入っている一冊である。 私が買っ…
-

連載12376回 横山剣さんとの新刊──「口笛を吹きながら夜を行け」── <4>
(昨日のつづき) きょうは午後3時から『中央公論』誌のインターヴュー。 いつもインターヴュー取材というと、写真の撮影スタッフや速記者、録音の人、編集関係者など、にぎやかな席になることが多いのだ…
-

連載12375回 横山剣さんとの新刊──「口笛を吹きながら夜を行け」── <3>
(昨日のつづき) 歌の話や昔の本牧の思い出ばなしから、やがてクルマの話になる。 70台以上の名車・旧車にまつわるエピソードを、写真入りのエッセイ集にまとめた横山さんだから、内輪の話なども出て、…
-

連載12374回 横山剣さんとの新刊──「口笛を吹きながら夜を行け」── <2>
(昨日のつづき) はじめて横山剣さんの歌声を聞いたときには、びっくりした。簡単には要約できないような、独特の声質と、うたいかたを、どう分析すればいいのか、わからなかったのだ。 ハスキーというよ…
-

連載12373回 横山剣さんとの新刊──「口笛を吹きながら夜を行け」── <1>
きょうは早起きして、テレビでワールド・サッカー、日本チームの第2戦を観る。 4対0でチュニジアに大勝。 本来なら<快勝>と書くべきだが、なんとなく<快勝>より<大勝>といった感じの一戦だった…
-

連載12372回 持続可能な健康法 <5>
(昨日のつづき) きょうは順天堂大学病院にいってきた。 べつにどこかが悪いわけではない。 喉のガンを放射線治療で治したあと、定期的に経過観察をやってもらっているのだ。 口を開けて喉の様…
-

連載12371回 持続可能な健康法 <4>
(昨日のつづき) 私は以前、養生についての本の中で、こう書いたことがある。 <無駄と知りつつ、やるのが養生> なにかをやれば、すぐに何かを期待する。私たちは誰でもがそうだ。そして短期間でそれ…
-

連載12370回 持続可能な健康法 <3>
(昨日のつづき) 「これはいい。これを毎日、つづけよう」 と、一念発起しても、3日あたりでダレてくる。4日となれば、自分で忘れたフリをする。結局、1週間も続かない。 <ああ、おれはダメなんだ。…
-

連載12369回 持続可能な健康法 <2>
(昨日のつづき) <持続可能な開発目標> などという当世風の言葉もあれば、 <持続する志> という古風な表現もある。 いずれにせよ、続ける、続く、ということは、それ自体で意味のあること…
-

連載12368回 持続可能な健康法 <1>
いわゆる「ブーム」といわれるものは、ほとんど一過性のものが多い。 それらのなかで、例外的に長続きしているテーマが2つある。 <金持ちになる方法>と、もう一つが<健康法>だ。 週刊誌や新聞を…
-

連載12367回 本の題名を考える <5>
(昨日のつづき) 毎朝、新聞を読むときには1面左下のコラムに目を通し、そのあと下段の出版物の広告を眺める。私にはあまり縁のない高尚な広告が並んでいて、なんとなくこの国の知的水準を望見するような感じ…
