本の森
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「大奥御用商人とその一族」畑尚子著
今年の大河は松本潤主演の「どうする家康」。家康を祖とする江戸幕府はその後260年余の長きにわたり続く。全15代の将軍の中でもっとも長く在職したのは第11代の家斉で、およそ50年の在位期間に50人の子…
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「製本屋と詩人」イジー・ヴォルケル著、大沼有子訳
20世紀のチェコの作家といえば、「ロボット」という言葉の生みの親で「山椒魚戦争」など痛烈な風刺作品で知られるカレル・チャペック、オーストリア支配下のチェコを舞台にした反戦風刺小説の傑作「兵士シュヴェ…
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「『死んだふり』で生きのびる」宮竹貴久著
英語で死んだふりはplaying possum。ポッサムは有袋類のオポッサムのことで、ネットでもその見事な「死んだふり」ぶりを見ることができる。ニワトリやカエルの死んだふりも有名で、生き物全般でも死…
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「時計遺伝子 からだの中の『時間』の正体」 岡村均著
夜になれば自然と眠くなり、朝になれば自然と目覚める。これは、暗くなったから寝る、明るくなったから起きるという外の環境の変化の結果のように思えるが、そうではない。実は、我々の体の中にはすでに1日24時…
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「サイレント・アース 昆虫たちの『沈黙の春』」デイヴ・グールソン著 藤原多伽夫訳
2000年ごろから地質年代の新しい区分として「アントロポセン(人新世)」という言葉が提唱されるようになった。人間の活動が地質環境に大きな影響を与えている時代のことだが、著者はその特徴のひとつに生物多…
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「ひとかけらの木片が教えてくれること 木材×科学×歴史」 田鶴寿弥子著
「木材解剖学」とは耳なじみのない言葉だが、日本ではすでに100年以上の歴史を持つ学問で、国際木材解剖学会の会員数では現在日本人会員が第2位を占めるなど、研究者も増加しているという。われわれの身の回りに…
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「非暴力の力」ジュディス・バトラー著、佐藤嘉幸、清水知子訳
先頃、政府は来年度から防衛費の大幅増額を検討すると発表した。台湾問題をめぐる米中の対立などを踏まえての防衛・抑止の強化が理由とされている。ロシアのウクライナへの武力侵攻もあって「国防」に対する関心が…
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「歴史の中の多様な『性』」三橋順子著
近年、性的マイノリティーの人権運動の波が日本にも及び、LGBTや多様性(ダイバーシティー)といった言葉が頻出するようになり、社会的なテーマとなってきた。こうした動きは日本の性的多様性に対する考え方が…
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「世界は五反田から始まった」星野博美著
「故郷は?」と聞かれ、生まれたのは○○だけど育ったのは××……と答えに迷う人も多いだろう。では生まれも育ちも同じなら問題ないかというと、そうでもない。 東京・品川区の戸越銀座に生まれ育った著者…
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「月経の人類学」杉田映理、新本万里子編
近年、発展途上国への支援のひとつにMHM(月経衛生対処)推進が大きな課題となっている。MHMとは、女性および思春期の女子が困難なく衛生的な月経処理ができることだ。つまりは、処理が困難な人たちが数多く…
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「動物行動学者、モモンガに怒られる」小林朋道著
動物行動学や動物心理学などさまざまな科学分野において、ヒト以外のものをヒトになぞらえる擬人化は、客観性を損ない、結果の解釈にも誤解が生じるという批判がなされることが多い。 しかし著者は、幼児…
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「科学は『ツキ』を証明できるか」ベン・コーエン著 丸山将也訳
バスケットボールで連続してシュートを決める状態、つまり「絶好調」「ツイている」「ノッている」場合を「ホットハンド」という。このホットハンド現象はバスケットに限らず多くのジャンルに存在し、多くの人が経…
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「『未熟さ』の系譜」周東美材著
今テレビでは、旅番組、クイズ番組、音楽番組、ニュース番組などジャンルを問わず、ジャニーズ事務所所属のタレントの出ていない番組はないといっていいほど「ジャニーズ天下」の様相を呈している。高度経済成長期…
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「メランコリーの文化史」谷川多佳子著
外出自粛や会社の倒産などコロナ禍に起因する〈コロナうつ〉が大きな問題となっている。うつ=メランコリーは、古来さまざまな表象をもって描かれてきた。有名なのは本書のカバーにも使われているアルブレヒト・デ…
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「言葉を手がかりに」永井愛、上西充子著
〈アンケートをとれば、かなりの人数が反対しているわけですよね。だけど、最後は「しょうがないね」と諦めてしまう。この「しょうがないね」に政治家たちは賭けているんですよ〉(永井愛) これは元総理の…
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「ヤバい神 不都合な記事による旧約聖書入門」トーマス・レーマー著 白田浩一訳
「ヤバい神」というと、怪しげな新興宗教を思い浮かべるかもしれないが、ここで論じられるのは旧約聖書に描かれる「怒りっぽく、嫉妬深い」神のことだ。紀元前に成立した旧約聖書には、今日の目から見ると、女性蔑視…
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「編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森」鷲見洋一著
1960年代初頭、日本では空前の百科事典ブームが起こり、一家に1セットといわれるほど百科事典が各家庭に浸透していった。その百科事典のパイオニア的な存在が、ディドロ、ダランベールらが編集した「百科全書…
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「音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む」川原繁人著
鋭角的でギザギザな図形と柔らかな曲線の図形がある。どちらが「タケテ」でどちらが「マルマ」という名前かと問うと、母語や年齢に関係なく大多数の人が前者をタケテだと答える。音声学には阻害音と共鳴音という子…
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「生きもの毛事典」保谷彰彦文 川崎悟司イラスト
覚醒剤などの違法薬物摂取の真否に関して毛髪鑑定が有用なことはよく知られている。最近では、薬物を使った性犯罪で被害者の毛髪鑑定が捜査の突破口になると注目されている。太さ0.1ミリに満たない毛の中に多様…
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「『ネコひねり問題』を超一流の科学者たちが全力で考えてみた」グレゴリー・J・グバー著 水谷淳訳
猫は高い所から落ちると、最初にどんな姿勢であっても必ず足から着地する。この特異な能力は、どのようなメカニズムによって成り立っているのか──この「ネコひねり問題」を巡って何百年もの間、科学者たちがかま…