孤独のキネマ
-

米国版「深夜食堂」ある男の1週間がコミカルでやみつきに
ジム・ジャームッシュはよく分からないけど、この映画はいい。 ニュージャージー州パターソン市に住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)は単調な日々を送っている。毎朝、妻のローラ(ゴルシ…
-

「ヒトラー~最期の12日間~」妄想と怒声…独裁者の末路
ヒトラーの自決を描く。ブルーノ・ガンツの演技が凄い。 1942年、22歳のトラウドゥル(アレクサンドラ・マリア・ララ)はヒトラー(ガンツ)の秘書採用試験に合格。彼女を主要人物のひとりとして物…
-

「ELLE」父親のトラウマを引きずる女 性欲と葛藤する物語
主演のイザベル・ユペールは1953年生まれ。本作の公開時は63歳で、ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いた。レイプの映画でよくぞ頑張った。 ミシェル(ユペール)は離婚歴のあるゲーム開発会社の…
-

朴槿恵が危険視…階級闘争を暴力的に風刺した問題作
ポン・ジュノ監督が「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー賞を取ったことで改めて注目されたのが朴槿恵だ。大統領時代、この「スノーピアサー」が抵抗運動をあおるとの理由で同監督を文化芸術界のブラックリス…
-

80年代は絵空事だったAI殺人ロボットの恐怖を見事に予言
A・シュワルツェネッガーとJ・キャメロン監督の出世作。 2029年、地球では人類VSロボットの戦争が繰り広げられていた。ロボット軍団を追い詰めた指導者の誕生を阻むため、1984年の現代にアン…
-

第15回日本アカデミー賞最優秀作品賞「息子」は父親の物語
東京の居酒屋で目標もなく働く哲夫(永瀬正敏)は母の一周忌で岩手に帰省。長男夫婦は一人暮らしの老父・昭男(三国連太郎)を引き取るべきかを議論し、哲夫は父に生き方を批判されてふてくされる。哲夫は帰京し、…
-

東出&唐田共演「寝ても覚めても」は大人が楽しむ不条理劇
不倫騒動の東出昌大と唐田えりかが出会った作品。力作なのでこの機会に紹介しようと思い、BDのメーカーにジャケ写を貸してほしいと電話したら、「昨日から貸し出し中止」とのこと。 大阪に住む朝子(唐…
-

「ミッドナイト・エクスプレス」世界には魔物がすんでいる
逃亡者カルロス・ゴーン被告が日本で不当な扱いを受けたと訴えている。彼の話から思い出したのが米国人が中国で殺人容疑で捕まる「北京のふたり」(1997年)と本作。先週、ゴーン被告がTVインタビューで妻と…
-

「アルゴ」ゴーンの逃走が映画になったらこんな雰囲気に
新年早々、カルロス・ゴーンの逃走劇と米国VSイランの攻撃で大騒ぎだ。そこで思い出したのが本作。第85回アカデミー賞作品賞に輝いた。イランの米国大使館占拠の実話を基にしている。 79年2月、イ…
-

初老男の苦悩を描く「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
マイケル・キートンが自己の境遇を演じたと話題になった作品。第87回アカデミー賞作品賞など4部門に輝いた。 俳優のリーガン(M・キートン)は20年前にスーパーヒーロー映画「バードマン」で一世を…
-

名作「グリーンマイル」現代のキリストは黒人の大男だった
188分の長尺映画。冬休みに見てほしい。 1932年、死刑囚監房の看守を務めるポール(トム・ハンクス)のもとに黒人のコーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)が送られてくる。彼は幼い姉妹を殺し…
-

「カプリコン・1」火星着陸計画で国家が人を抹殺する日
今年7月はアポロ11号の月面着陸から50年の節目だった。本作のテーマは火星着陸だが、公開時にアポロ計画の都市伝説を利用して宣伝していた。本日、BDが発売された。 時代は現代。米国は有人宇宙船…
-

「風と共に去りぬ」スカーレットはなぜ捨てられたのか?
来週の日曜(15日)は記念すべき日だ。80年前のこの日「風と共に去りぬ」が米国で公開された。 ストーリーは説明の必要もないだろう。ジョージア州のスカーレットお嬢さま(ビビアン・リー)が南北戦…
-

「沈黙」水と油の関係 厳格な姉と性行為を見せつける妹
ベルイマン監督が45歳で撮った暗くて難解な名作。来週DVDが発売される。 蒸し暑いヨーロッパを2人の女が列車の旅をしていた。姉のエステル(イングリッド・チューリン)は翻訳家、妹のアンナ(グン…
-

「スウィングガールズ」何度見てもまた見たくなる音楽映画
ジャズが好きな人も、興味のない人もスイングしてしまう作品だ。 東北地方の高校生・友子(上野樹里)らは夏休みの補習授業を中抜けするため野球部の試合に向かい、運んだ弁当のせいで吹奏楽部の面々が食…
-

「夜の蝶」京マチ子と山本富士子が火花バチバチの名演技
田中澄江が脚本を担当。ホステス紹介業の秀二(船越英二)を狂言回しにした水商売の裏物語だ。 銀座でバー「フランソワ」を経営するマリ(京マチ子)は内心穏やかでなかった。舞子上がりのおきく(山本富…
-

「ゼロ・ダーク・サーティ」女性分析官のビンラディン殺害
イスラム国の指導者バグダディが殺害されたニュースで思い出したのが本作。2011年のビンラディン殺害を描いたフィクションだ。 CIA分析官のマヤ(ジェシカ・チャステイン)は同僚のダン(ジェイソ…
-

「地球爆破作戦」2大スパコンが核ミサイルで人類支配する
原題は「Colossus:The ForbinProject」。「地球爆破作戦」という邦題は当時の映画人が戦争ごっこのような幼稚な神経で考案したのだろう。コンピューターが人類を支配するシリアスドラマ…
-

「レニ」ヒトラーに協力した女が見せる恥知らずの抗弁
ナチスの宣伝映画を監督したレニ・リーフェンシュタールの半生を追い、晩年の彼女に密着したドキュメンタリー。11月6日、BDとDVDが発売される。 レニは1902年生まれ。山岳映画で人気を馳せた…
-

「キング・オブ・コメディ」演技派が見せた静かなる狂気
ルパート(ロバート・デ・ニーロ)は大物芸人のジェリー(ジェリー・ルイス)に憧れるコメディアン。ある夜、ファンに揉みくちゃにされたジェリーを助けて自分を売り込み、「事務所に電話しろ」と言われる。さっそ…
