『ANORA アノーラ』底辺ストリッパーが挑む、コワモテ用心棒&女たちとの壮絶バトル

公開日: 更新日:

「ANORA アノーラ」2月28日(金)全国ロードショー

 昨年5月、第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。現在、第97回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞など6部門にノミネートされている注目作だ。R18+指定から分かる通り、ベッドシーンが多い。監督はショーン・ベイカー。若き美女がひたすら戦うドラマである。

 ニューヨークでストリップダンサーをしながら暮らすアノーラ(マイキー・マディソン)は、職場のナイトクラブでロシアの大富豪の御曹司イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会う。イヴァンと親密になり気に入られたアノーラは彼が帰国するまでの7日間、1万5千ドル(223万円)で“契約彼女”となる。

 パーティーにショッピング、贅沢三昧の日々を過ごす2人。ついには休暇の締めくくりとしてラスベガスの教会で電撃結婚してしまう。幸せの絶頂のアノーラだが、ここに大きな障壁が。「息子が娼婦と結婚した」との噂を聞いたイヴァンの両親は猛反対。結婚を阻止すべく、屈強な男たちを息子の邸宅に送り込んでくる。

 ほどなくしてイヴァンの両親がロシアから到着。空から舞い降りてきた厳しい現実を前に、アニーの物語の第2幕が始まるのだった……。

 主演のマイキー・マディソンは前半で全裸ベッドシーンを熱演。本物のポルノスターかと思えるほどの脱ぎっぷりのよさは女優生命を賭けて演じているかのようだ。

 前半はストリップダンサーのシンデレラ物語。男たちの下品な視線を浴びる下層の女が大金持ちの妻の座を手にするのだから、まさに棚からボタモチ。「ほんとにこんなことあるんかいな。『プリティ・ウーマン』の見過ぎじゃね?」と眉にツバしてしまうが、そこはそれドラマの面白さだ。というより、後半の大転換への布石と考えていい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議