著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

倍賞千恵子さんは84歳で肺がん手術…適度な運動が術後の回復早める

公開日: 更新日:

「少し前に肺がんを患い、片肺を少し切除した」

「婦人公論」11月号のインタビューでこう語っているのは、女優の倍賞千恵子さんです。乳がんに続く2度目のがんで、判明したときはかなり落ち込んだようですが、手術を終えた今は前向きさを取り戻されたようで何よりだと思います。

 高齢社会の今、肺がん患者も高齢化していて、肺がんで手術を受ける方の平均年齢は68歳。そのうち80歳を越える割合も増加傾向でおよそ10%です。倍賞さんのようなケースは決して珍しくありません。

 倍賞さんはたばこを吸われませんから、肺がんの中でも末梢にできる肺腺がんだと思います。全体の5~6割を占め、たばこと関係なく発症するのが特徴です。女性も少なくありません。

 右肺は上葉、中葉、下葉、左肺は上葉、下葉に分けられ、手術は葉単位で切除するのが一般的です。しかし、心肺機能や術後の体力低下の影響などを見極め、より小さな部分切除が選択されることもあります。そうしたことから、倍賞さんは部分切除を受けたのでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし