最期の時間を支える「選択」と「納得」…在宅医療の基本
最期の時が近づいている、乳がん末期の88歳の女性の患者さんがいらっしゃいました。同居する息子さんが24時間付き添ってこられましたが、より手厚い介護を受けるため、私たちのサービスを受けつつ、ご家族も一緒に過ごせるホスピス施設へ移ることになりました。
「呼吸が止まっても、心臓マッサージをしたり、救急車を呼んだりしてほしいという思いはありません」(息子)
「そうですね。心臓マッサージはご家族のご負担も大きいですし、何かあった際は、こちらでお看取りさせていただくことになると思います。今は点滴はしていません。無理をせず、できるだけお口から摂取していただく方がよろしいでしょう」(私)
「そうですね。採血もかなり難しかったですし」(息子)
「鼠径部からの採血も痛みを伴います。このままでよろしいでしょうか」(私)
「それで大丈夫です」(息子)
しばらくして施設から、「酸素飽和度が上がらない」との連絡が入りました。血液中のヘモグロビンがどの程度酸素を取り込んでいるかを示す酸素飽和度が90%を下回ると、呼吸不全と考えます。


















