著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

20年間ひきこもりの60代男性「自宅にだれかを入れるのは怖い」

公開日: 更新日:

「人が怖いので、下を見ながら話していただけませんか? あと自宅にだれかを入れるのは怖いので、診療に来ていただける車の中や、うちの庭で診療を受けられませんか」

 20年間ひきこもり生活を送りながら、自宅近くのメンタルクリニックに通院していた60代の男性患者さん。症状の改善があまりみられないからと、先日、在宅医療を始めてみたいと当院に問い合わせをいただきました。

 問診結果は「社会不安症」。この疾患は比較的少人数の中においても、人から見られたり恥ずかしい思いをすることに対して極度に恐怖を感じ、人前で自分を出すことに過度の不安を覚えます。そのため社会的な交流を避け、社交場面も回避する傾向になりがちです。

 メンタル状況がデリケートな患者さんの場合は、在宅医療を始めるにあたって、それまで通院していたクリニックの医師、担当のケースワーカーさんがいる場合はその方と綿密に連携し、一般的な患者さんの事前の準備とはまた違った点に注意を払います。

 冒頭のやりとりは、何回か対面を重ねてようやくポツポツと会話ができるようになった時のものだったのでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった