著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

MLB経営者側が“拒否必至”の条件を次々提示…労使交渉の主導権を握る「揺さぶり戦術」

公開日: 更新日:

 今年12月1日に期限を迎える大リーグの労使協定を巡る交渉では、経営者側がドラフト制度の大幅な改革案を提示した。

 既存の制度は、米国、カナダ、プエルトリコ在住の高校卒業以上の選手を対象とし、20巡目までの指名が可能だ。

 一方、改革案では20歳未満の選手が対象外となり、高校卒業から2年を経過していることが必要とされ、指名は12巡目までに縮小される。

 さらに、これら以外の国や地域に在住する18歳以上のすべてのアマチュア選手を対象とし、12巡目まで指名が可能とする国際ドラフトの導入も提案された。

 これまでドラフト制度の枠外にあった国・地域の選手の獲得を制度化し、一元的に管理することで、球団間の戦力の均衡を図るというのが経営者側の新制度実施の大義名分である。

 だが、米国やカナダなどに在住する選手の指名と他の国・地域の選手の指名可能な人数が同じであることや、前者は20歳以上を対象とするのに後者が18歳以上であるという点は、本来であれば指名されたかもしれない米国などのアマチュア選手の機会の逸失になる。

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