MLB経営者側が“拒否必至”の条件を次々提示…労使交渉の主導権を握る「揺さぶり戦術」
しかも、高校卒業後すぐにプロ選手になれないことでNFLやNBAなどの他の競技に比べ大リーグの競争力を低下させかねない。
選手会がドラフトの改革案に強く反発しているのは、まさにこの点にある。
大リーグ機構が試合時間の短縮やベースの大きさの変更による塁間の距離の短縮と盗塁数の上昇などを推進してきたのは、野球の活性化と魅力の向上により、他の競技に対する競争力を高めることを目指すためとされてきた。こうした名目があるからこそ選手会も協力してきたのである。
それにもかかわらず経営者側からドラフトの改革案が示されたという事実は、経営者や機構側に野球の価値の上昇への意欲が乏しいことを示唆する。
しかも、ドラフトの改革案の提示は、選手会にとってはすでに提案されているサラリーキャップ制の導入とともに決して受け入れられない条件が増えたことを意味する。
相手が受け入れないことが容易に予想される複数の条件を提示するのは、交渉の手法としては賢明ではない。それだけに、経営者側はドラフトの改革もサラリーキャップ制の導入も目指しておらず、最低年俸やぜいたく税の対象金額などで自らに有利な条件を選手会側から引き出そうとしているとも言える。
真意がどこにあるかと選手会側に疑念を持たせているだけでも、現時点で経営者と機構は交渉を有利に進めているということになる。



















