著者インタビュー
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「新型コロナと貧困女子」中村淳彦氏
コロナ禍による緊急事態宣言で歌舞伎町には人影がなくなった。 こっそり営業するホストクラブもあったが、“濃厚接触”でしか生きられない風俗嬢やキャバ嬢は「政府は私たちに死ねって言ってるんでしょう…
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「免疫力」藤田紘一郎氏
「感染しても、発症しないことが最も重要」 新型コロナウイルスについて、本書の冒頭ではこう強調されている。「絶対感染しない」ではないのがポイントだ。本書は感染免疫学の専門家として50年近く研究を…
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「自粛バカ」池田清彦氏
危機に直面すると、人は本性をむき出しにすることが多い。では、新型コロナウイルスのパンデミックは、日本人のどのような本性を明らかにしたのか。自粛警察の出現などからわかる日本人の〈不思議な感性〉を、歴史…
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「ドキュメント 感染症利権」山岡淳一郎氏
すでに9月に入り、間もなく秋を迎えようとしている今、国の新型コロナウイルス対策は進歩しているとはとても思えない状況だ。 「往々にして、政府は感染症の影響を小さく見せたがります。緊急事態宣言の解…
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「お酒の経済学」都留康氏
コロナ禍によりオンライン飲み会が大盛況だ。酒場と違い、皆と酒やつまみを合わせる必要はなし。ビールに日本酒に焼酎、ウイスキーやワインなど多種多様な酒が画面に映る。 「今の日本は手軽にスーパーやコ…
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「かくされてきた戦争孤児」金田茉莉氏
「私たち孤児は、国からおにぎり1つもらっていません。国に捨てられ、歴史から消されてきました。軍人や軍属にはこれまで60兆円も恩給が支払われているのに……」 穏やかに愛犬をなでていた85歳の著者…
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「中高年ひきこもり」斎藤環氏
精神科医でひきこもり問題の第一人者である著者が、ひきこもりについての正しい知識と支援を伝える入門書を出した。 「私が最初にひきこもりについての本を書いた20年前は、ひきこもりの平均年齢は21歳…
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「やわらかな知性」野村亮太氏
漫才は、時事やトレンドなどを取り入れたネタの新しさやオリジナリティーが、面白いか否かの判断材料になるところが大きい。対して、落語はどうか。 「落語ファンは同じ落語を何度も聞いているため、噺の筋…
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「家族じまい」桜木紫乃氏
北海道の江別市に暮らす智代は48歳。子供たちは自立し、今は夫婦2人暮らし。パートで美容師として働きながら、静かで穏やかな生活を送っていた。 そんなある日、函館に住む妹・乃理から一本の電話が入…
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「二枚腰のすすめ」鷲田清一氏
「中庸でブレがないよりも、両極端を知っていて行き来できるほうが人として器が大きく、懐が深くて強いと僕は考えているんです。八方塞がり打つ手なしと思っても、別の方向に視点をふってみれば弱さが強さに反転する…
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「家族写真」笠井千晶氏
記録的な豪雨により熊本や大分では浸水被害が深刻だ。轟音とともに家を押し流す濁流の映像に、東日本大震災の津波を思い出した人も多かったのではないだろうか。 本書はドキュメンタリー監督である著者が…
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「憂き夜に花を」吉川永青氏
今年は中止が決まっている隅田川花火大会の始まりの物語である。江戸の男たちの熱い物語に、コロナ禍の鬱憤がつかの間晴れると同時に、不思議なほど“今”と似通った状況に、読者は驚かされるのではないか。 …
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「ESG思考」夫馬賢治氏
「1年ほど前、スターバックスがストローをやめると発表して、環境ブームに対応してるんだな、と思った人は多いと思います。でも実は、ストローをはじめとする環境に配慮する計画は2008年からあったもの。日本で…
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「蓼食う人々」遠藤ケイ氏
無印良品の新商品「コオロギせんべい」が売り切れ、野鳥を出す高級レストランがもてはやされるなど、美食・健康・エコの観点から昆虫食やジビエが近ごろ人気だ。 「都会で出される昆虫食のほとんどが加工済…
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「ゲコノミクス」藤野英人氏
平成のサラリーマンの世界では、酒が飲めない下戸は肩身の狭い思いをすることが多かった。「人生だいぶ損してるね」「飲む練習すればいいのに」。こんな言葉を浴びせられても、苦笑いしてやり過ごすしかなかった。…
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「告解」薬丸岳氏
もし自分が“加害者”になってしまったら、命を奪った罪は、どうしたら許されるのか。交通事故という誰の身にも起こり得る事件を題材に、罪と贖罪の在り方を問う骨太な長編小説だ。 「いつか加害者視点で書…
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「愛すべき音大生の生態」辛酸なめ子氏
外出自粛で「楽器 初心者」といったキーワードの検索が上昇しているという。人間にとって音楽は最大の癒やしになることは間違いない。本書はその音楽に身を捧げた音大生の謎の生態について書かれたエッセーだ。 …
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「閉ざされた扉をこじ開ける」稲葉剛氏
「4月7日に都の緊急事態宣言が出されてから、ネットカフェの休業で路頭に迷ってしまう人たちに緊急支援をしてきました。都のネットカフェ生活者は2018年の調査で4000人います。建築土木や飲食業が多く、緊…
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「『第三者委員会』の欺瞞」八田進二氏
企業や行政組織で不祥事が発生した際、決まって耳にするのが「ただちに第三者委員会を設置し~」という言葉。問題の全容と責任の所在を明らかにするため、外部の専門家が入って真相究明が行われるのかと思いきや、…
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「愛するいのち、いらないいのち」冨士本由紀氏
〈父は、ウンコ臭い〉 小説は、ぎょっとする一文から始まる。主人公は還暦を迎えようとする女性・文緒。92歳の父の介護に頭を悩ます日々を送っている。認知症と糖尿病を患いながら、島根で独り暮らしを続…