2018年まで主流だった3Dモデルの製作費は3ケタ万円、「キズナアイ」が手掛ける地方創生と秋田の関わり

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郷土愛や守りたいものがある人は熱量が凄くてコンテンツ製作と好相性

 ──VTuber職業体験教室には子供たちも多数参加したそうですね。

大坂:子供が勉強や部活をせずにVTuberの実況配信を見たりするのはどうなんだ、という意見もあると思います。しかし、僕は今回のイベントで実際に子供たちがVTuberの職業体験をする様子を見て、VTuberは教育的にもいいものかもしれない、と今後の可能性を強く感じました。

 エンタメ職業体験には親子連れが多く、子供たちは自分のキャラを作る過程をとても楽しんでいたんですよ。しかも、描いたキャラを動かすこともできる。創作活動に目を輝かせながら向き合っている子供たちを見て、彼らの可能性や創造力を広げる力がVTuberにはあるんじゃないかと思ったのです。

 ──子供はもちろん、大人にとってもVTuberには大きな可能性がありそうですね。

和賀:地方には仕事がないと言いますが、VTuberなら地方にいながらでも配信ができ、外貨を稼げる可能性になり得ます。また、都会から故郷に戻った人、仕事をリタイアした人、年齢的に夢を諦めた人もチャレンジできるんですよ。

大坂:VTuberにはイラストレーターやモデラー、そしてプロデューサーなど、いろいろな人が関わります。地方に住んでいる人でも、ネット上に仲間がいればオンラインでできます。郷土愛や守りたいものを持っている人は熱量が本当に凄いし、コンテンツのプロデューサーやキャラクタープロデュースと相性がいいと思うんですよ。

■横手から秋田全域へ。将来のヒットメーカーが生まれることを期待

 ──ゆきんこキズナのようなご当地コンテンツは、今後さらに盛り上がっていくのでしょうか。

大坂:そう思っています。ゆきんこキズナの漫画コンテストは、クリエイターの関係人口を増やそうと思って始めましたが、僕らの想定以上、200件以上集まったんですよ。こういった取り組みは、子供たちがクリエイターとしてエンタメに触れるきっかけを作ることができていると思います。

 横手キズナプロジェクトもゆくゆくは秋田全域に広げて、「秋田キズナプロジェクト」にしていきたい。そして、プロジェクトに関わった地元の人たちのなかから、将来のヒットメーカーが生まれることを期待しています。個人的には、地域でプロジェクトの旗振り役になるようなプロデューサーを発掘し、育てていければいいなと考えています。

(取材・文=山内貴範)

【連載】世界初VTuber「キズナアイ」誕生10年 1260億円市場を生んだ開発者に聞く

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