「YouTubeで何かやりたいな」…友人との何気ない会話が「キズナアイ」のデビューに結びついた舞台裏
世界初のバーチャルユーチューバー(VTuber)として知られるのが、2016年に活動を開始し、今年で10周年を迎えるKizuna AI(以下、キズナアイ)である。VTuberとは、アニメのキャラクターのような架空の人物がYouTuberとして活動する配信者のこと。キズナアイはその立役者で、NHKの番組や日清食品のCMなど様々なメディアにも出演。世界的な人気を誇る。
矢野経済研究所の推計によると、その市場規模は2025年度に1260億円まで拡大したといわれる。その数が増えて飽和状態といわれるが、中には声優や歌手として活躍するケースまで出ている。第2、第3のキズナアイを目指いして活動する人も相次ぐ。
世界が注目するキズナアイのプロジェクトを立ち上げ、経済や文化に多大な影響を与えたのが「Activ8」の大坂武史氏で、がプロジェクトを支えたをもう1人が和賀有史氏である。そこで、VTuber界のパイオニアである2人にインタビュー。VTuberの現在の動向からVTuberを活用した地方創成の可能性について話を聞いた。(全2回の前編)
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■YouTubeに最適化したアニメコンテンツを模索するうちにアイデアの“素”が
──現在のVTuberの盛り上がりをどのようにみていますか。
大坂:キズナアイが活動開始したのは2016年12月のことで、今年は10年という節目の年を迎えます。キズナアイが誕生した後、「にじさんじ」や「ホロライブ」など数々のVTuberのプロジェクトが立ち上がり、今ではアニメやゲームなどと肩を並べる1つのジャンルとして定着したな、という印象を受けています。
VTuberを知らない若者は少ないと思いますが、実際の動画を見たことがない人も多いため、まだまだ成長の余地はあると考えています。
──大坂さんが、キズナアイのプロジェクトを立ち上げたキッカケはなんでしょうか。
大坂:元々、アニメ会社にいた大学時代の友人(松田純治氏)と新しいエンタメを立ち上げようと話をしていました。その中で、日本のアニメやゲームのカルチャーに関する話になり、「これから絶対もっと伸びる」という空気が漂っていたYouTubeで何かやりたいなと話し合ったのです。
僕は自分以外が全員外国人という外資系の企業にいたのですが、そのときから日本のエンタメには大きなポテンシャルがあると理解していました。YouTubeに最適化したアニメコンテンツを模索するうちに、キズナアイのアイディアの“素”ができたのです。それは、YouTube上にアニメのキャラが僕らと同じ世界線で生きていると感じられる体験をつくろうというものでした。
和賀:時代も良かったと思います。2016年はYouTubeが伸び調子で、HIKAKINさん、はじめしゃちょーさんなどが出演する「好きなことで生きていく」で有名なYouTubeのCMが流れていました。松田さんはそれを見て、「なんでここにアニメキャラがいないのか」と言っていました。
だから、キズナアイは「YouTuber」としてデビューしているんですよ。上り調子のYouTube、アニメ文脈、ニコニコ動画で盛り上がっていた初音ミクさんのような3Dコンテンツの文脈などがうまく重なった結果、新しい何かが生まれたという感覚です。

















