著者のコラム一覧
奥真也医師、医学博士、経営学修士。医療未来学者

1962年大阪生まれ。東大医学部卒業後、フランス留学を経て埼玉医科大学総合医療センター放射線科准教授、会津大学教授などを務める。その後、製薬会社、薬事コンサルティング会社、医療機器メーカーに勤務。著書に中高生向けの「未来の医療で働くあなたへ」(河出書房新社)、「人は死ねない」(晶文社)など。

がんの診断・治療はゲノム医療と新世代コンピューターが個別化治療を実現する

公開日: 更新日:

 がんとは正常な細胞の遺伝子が傷ついてできた異常な細胞が無秩序に増え続ける病気のこと。かつては「病の帝王」と言われ、かかると必ず死ぬと思われてきたが、いまはがんで死亡する確率は、男性で26.7%、女性は17.8%と過去に比べて低くなっている。今後、がんの治療と診断はどうなっていくのか? 医療未来学者である奥真也医師に聞いた。

「がんで亡くなる人はますます減少していくでしょう。現在、がん治療手術抗がん剤、放射線治療、免疫療法などの治療法がありますが、いずれかひとつで十分な効果を上げることができるとは限りません。そのため2つ以上の治療法による集学的治療が行われています。今後はそれぞれの治療法の精度が上がり、副作用が少なく、効果のあるがん治療が行われ、治癒する患者さんはさらに多くなると考えます」

 がん治療の精度を上げるために期待されているのが「がんゲノム医療」だ。主にがんの組織を使って多数の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」によって一人一人の遺伝子の変化や生まれ持った遺伝子の違いを把握し、がんの性質、体質、症状に合った治療を行う。現在は一部の条件の下で行われているが、これが標準治療となるのはそう遠くないと考えられている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々