著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

なるべく楽に最期を迎えられるようお手伝いをしてもらいたい…末期がんの夫と暮らす妻の思い

公開日: 更新日:

「透析やめてからが大変になってくるのかなと自分では思うのですが、大丈夫でしょうか」(妻)

「大丈夫だと思います。ご不安なこととかはありますか?」(私)

 昨年11月初旬のことです。自宅に伺った私たちにこう話しかけてきたのは、横行結腸がんを患う70歳の旦那さんと一緒に暮らす奥さま。これまで高血圧のために腎機能の低下もあり、人工透析のために通院もされていた旦那さんでしたが、余命が少ないことも受け入れ、透析をやめ、覚悟を決めての自宅療養となったのでした。

「不安なことばかりで。ただこうして周りに医療スタッフもいてくださいますし……。なるべく楽に最期を迎えられるようにお手伝いをしてもらおうと思っていますので、そういうオーダーしかないです。無理やりなにかしようとかはないです」(妻)

 これまでにも多様な価値観やさまざまな思いをお持ちの患者さんと接してきましたが、大切なことは共通しています。それは、患者さんが自宅で最期まで自分らしく生きるということ、ご家族の方が、心穏やかに納得してその患者さんとのお別れを受け入れるということ。これに尽きるかと思っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々