著者インタビュー
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「アリガト謝謝」木下諄一氏
東日本大震災から1カ月後の11年4月11日。日本政府は時の首相のメッセージとして、米、英、ロシア、中国などの有力紙に感謝広告を掲載した。しかし、どの国より桁違いの高額の義援金200億円を送ってくれた…
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「源氏姉妹」酒井順子氏
〈いつもであれば、唇が私の顔を確かめるかのように動いているうちに眠ってしまうのですが、このときは唇が唇を覆ったままで、私の口の中に、ぬめぬめと動く舌が入ってきたのです。そうかと思うと、源氏さまの手が単…
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「魔法使いと副店長」越谷オサム氏
埼玉県栗橋に妻子を残し、藤沢に単身赴任中の太郎41歳。本社復帰を目指して働く、大手スーパー「ホリデー」の副店長だ。しこたま飲んで帰宅したある夜のこと。月を眺めていると、アパートの窓を突き破り、ホウキ…
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「わが子に会えない」西牟田靖氏
厚生労働省の調査によると、2015年における日本の離婚件数は22万5000組にも上っている。 離婚は結婚の何倍ものエネルギーを要するといわれるが、何とか離婚自体が成立しても、簡単には解決に至…
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「若者よ、猛省しなさい」下重暁子氏
遊ばない、恋愛しない、独り立ちしない。そんな若者だけを叱咤するのではない。元・若者に対しても猛省を促すという。 「若者じゃなかった人なんていません。時代は違えど、みな感性豊かな若者だったはず。…
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「近代天皇論」片山杜秀氏
生前退位を求める昨夏の今上天皇の「お言葉」は、「天皇は神なのか、それとも人間なのか」という究極の議題をあらためて日本国民に投げかけたといえる。国家神道研究の泰斗である宗教学者・島薗進氏との共著である…
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「若者はなぜモノを買わないのか」堀好伸氏
近頃の若者は消費に消極的な印象が強く、「若者の○○離れ」というフレーズはもはや定番と化している。しかし、現代の若者たちのマーケティング調査を行っている著者は、「企業や大人が若者から離れているだけ」と…
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「本物の名湯ベスト100」石川理夫氏
温泉といえば、日本人はもちろん外国人にも大人気の観光地である。それだけに、温泉に関する本は百花繚乱、ちまたにあふれている。しかし、それら温泉宿選び本、温泉ランキング本に危機感を覚える、と著者はいう。…
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「不正に走る普通の人たち」前田康二郎氏
不正会計や粉飾決算など、会社や組織のさまざまな不正がどのような背景で行われていくのかを豊富な事例と共にひもといていく本書。もしも今あなたが、“自分は不正などしないし巻き込まれもしないから関係ない話だ…
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「『快傑ハリマオ』を追いかけて」二宮善宏氏
頭にはターバン、黒いサングラスで目元を隠し、シンプルだがエキゾチックなパンタロン姿で、銃やムチを操る等身大のヒーロー。昭和35年4月から放映が始まった「快傑ハリマオ」である。 高度経済成長期…
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「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」小笠原みどり氏
2013年、米国国家安全保障局(NSA)元局員、エドワード・スノーデンの暴露に世界が驚愕した。 同年6月、米ワシントン・ポスト紙や英ガーディアン紙が相次いで、NSAが、米アップルやグーグル、…
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「古来種野菜を食べてください。」高橋一也氏
古来種野菜――そう言われても、ピンとこない人が多いのではないか。現在、流通している野菜の多くは「F1種」と呼ばれる品種改良された一代交配種。流通しやすいよう、大きさ、味、収穫量が均一化され、タネが取…
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「世界のへんな肉」白石あづさ氏
世界100カ国以上を約3年かけて巡り、各国で出合った動物とその味についてつづった異色の旅エッセーである。 「旅の楽しみといえば何といっても食事。国が替われば食材も調理方法も変わり、市場で珍しい…
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「結婚クライシス」山田昌弘氏
今の自分の生活は、そこそこ中流だと思いたい。なんとかやっていけている暮らしを変えたくない、転落したくない――と思うのが「中流転落不安」だ。 若者の間にも、この感覚が根深く広がっている。それが…
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「お世話され上手」釈徹宗氏
高齢者施設はバリアフリーが当たり前だが、住職である著者が代表を務める「むつみ庵」は、寺の裏手の古民家を活用した、一風変わったグループホームだ。本書では、このむつみ庵の運営を通して著者が学んだという、…
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「ロマ『ジプシー』と呼ばないで」金子マーティン氏
「ジプシー」とは差別語であり、蔑称であることをご存じだろうか。日本では昭和歌謡界で使われたり、放浪するさまの例えで用いてきたが、今は使われていない。では、彼らをどう呼ぶべきか。 「『ロマ』です。…
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「哲学する子どもたち」中島さおり著
安倍政権は1億総活躍社会を掲げ、女性の社会進出を成長戦略の柱に据えている。女性に働いてもらわないと、労働力人口の減少に歯止めがかからないからだが、その処方箋が託児所の充実程度では心もとない。この本に…
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「心が折れる職場」見波利幸著
日本全国に衝撃を与えた、電通の過労自殺事件。月100時間超の残業、上司のパワハラで24歳の女性が命を絶った。この事件を受けて、電通のみならず、残業時間を見直す企業は増えている。 「確かに必要な…
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「パイルドライバー」長崎尚志氏
町のお巡りさんから捜査1課のアウトローまで、魅力的な警察官が爽快に事件を解決していく小説は映像化されているものも多い。そんな一大ジャンルとなっている警察小説に、出色の作品が登場した。著者は、漫画原作…
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「日本まじない食図鑑」吉野りり花氏
鳥取市では毎年12月8日に「八日吹きのうそつき豆腐」を食べる風習がある。豆腐を焼いて田楽にしてゆず味噌をつけたもので、「一年分のうそが帳消しになる」といわれている。 「商売のためにうそをついた…