著者インタビュー
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「産まないことは『逃げ』ですか?」吉田潮氏
子供をもたない人が増えている。事情は人それぞれだが、女性で「子を産まない選択」を公言するのは、まだまだ難しい。女性だけでなく男性も、独身や子供のいない人は、やや肩身が狭いというのが現状だ。 「…
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「母さん、ごめん。」松浦晋也氏
親の介護に悩む人々が絶賛し、話題になっている本がある。親子愛を美化したお涙頂戴モノではない。認知症の母を介護したひとりの男が淡々とつづった、想像を絶する日々の記録だ。そのリアリティーは介護中の人だけ…
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「ニュータウンクロニクル」中澤日菜子氏
都市部の人口と世帯増加の受け皿として、1970年代初頭にピークを迎えたニュータウン開発。若いサラリーマン世帯を中心に入居が進み、小学校はマンモス校と化し、美しく整えられた街で何不自由なく豊かな暮らし…
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「キッズファイヤー・ドットコム」海猫沢めろん氏
子育てに疲弊している人が多い。政府は少子化対策だ、子育て支援だ、と口では言いながらも、結局のところ何も変わっていない。本書はそんな現代社会を舞台に、ひとりのホストが、ネット上で多くの人からお金を集め…
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「医者の9割はうつを治せない」千村晃氏
今や100万人にも及ぶうつ病患者。国民病ともいうべきこの“病”の対策に政府は力を入れているが、患者数が減る気配はない。その理由は何と、タイトルにもあるように「医者の多くがうつ病を治せない」からだとい…
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「爆買いされる日本の領土」宮本雅史氏
北海道は中国の32番目の省になる?――。表紙オビの衝撃的な言葉が目を引くが、実際、東京ドーム513個分の土地が、中国に買収されているという(昨年12月末現在)。 「北海道は毎年、前年度の水源地…
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「おっぱいがほしい!」樋口毅宏氏
バイオレンスやエロスが炸裂するハードボイルド作品を生み出してきた著者の最新作は、何と抱腹絶倒の子育てエッセー。週刊新潮の大人気連載の書籍化で、弁護士でありテレビでも活躍中の妻に代わり、育児を一手に引…
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「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」谷口功一氏
日本全国に約7万軒もある「スナック」について、真面目に論じるという、今までに見たことのない本が出た。 「人文科学系研究者ではきら星の面々を集め、夜の公共圏としてのスナックを論じてもらいました。…
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「dele ディーリー」本多孝好氏
今や自分の分身ともいうべきスマホやパソコン。そこには個人のプライバシーが詰まっているが、自分が死んだ後、家族や他人の目にさらされるとしたらどうするだろうか? 本書は、そんな死後の記録<データ…
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「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野剛志氏
TPP反対の論陣を張った評論家がグローバル化の終焉を言い当てた思想家・柴山桂太氏と対談。2人は5年前にも「グローバル恐慌の真相」(集英社)で対談しているが、そのときの見立て通りにグローバル化は行き詰…
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「東芝解体 電機メーカーが消える日」大西康之氏
かつて日本の家電は“世界一”ともてはやされ、多くの国々で愛用されていたものだった。ところが今、あの頃の栄光は幻と消え、東芝解体の衝撃をはじめ日本の電機メーカーの多くが絶滅の危機に瀕している。いったい…
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「永遠の道は曲がりくねる」宮内勝典氏
世界の貧困や差別を見つめ続けてきた著者の7年ぶりの新刊である。単独の作品であると同時に、「ぼくは始祖鳥になりたい」「金色の虎」に続く3部作の完結編で、本書の舞台は沖縄だ。 主人公は世界を放浪…
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「発達障害」岩波明氏
2005年に発達障害者支援法が施行され、人気モデルの栗原類やパリス・ヒルトンが発達障害だと公表したこともあり、発達障害がメディアで取り上げられることが増えている。半面、誤解や誤診も多い。 「空…
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「ESDの地域創生力」阿部治氏
「地方創生推進本部が発足したのは、第2次安倍改造内閣が発表された2014年9月。ローカルアベノミクスとして、あれから、全国各地でさまざまな取り組みが展開されていますが、必ずしもうまくいっているわけでは…
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「せいきの大問題 新股間若衆」木下直之氏
2012年に刊行された、「股間若衆」の続編である。前著では、“男の裸は芸術か”というサブタイトル通り、男性裸体彫刻をクローズアップし、「股間」がいかに表現されてきたかという問題にこだわり抜いて研究・…
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「字が汚い」新保信長氏
パソコンの普及でめっきり手書きの機会が減った昨今。しかし、こんなふうに思ったことはないだろうか。結婚式や葬儀の受付で芳名帳を前にしたとき、あるいは取引先に一筆したためようとして「もっと字がうまく書け…
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「暗い時代の人々」森まゆみ氏
5月23日、衆院本会議で「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案が可決された。治安維持法の悪夢再び、暗黒の時代に突入か、という今、読んでおきたい本がある。 戦前の最も抑圧された時代に、精神…
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「仕事なんか生きがいにするな」泉谷閑示氏
〈医者になったんですが、幸せにならないのはなぜでしょうか〉 精神療法専門のクリニックを開業する著者の元に、近年、働く意味や生きる意味を問う患者が後を絶たないという。 「ほかにも大地主で年…
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「安倍でもわかる保守思想入門」適菜収氏
2016年5月16日の国会答弁で、「私は立法府の長」と発言した安倍首相。言うまでもなく、立法府の長は形式的には衆議院と参議院の議長であり、総理大臣は行政府の長だ。 我が国ではとんでもないとん…
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「11歳からの正しく怖がるインターネット」小木曽健氏
SNSで炎上、個人情報が流出、アカウントが乗っ取られた……などネット上のトラブルはよく聞く話だ。 本書は「11歳から」と銘打っているが、決して子供向けというわけではない。安全にネットを楽しむ…