著者インタビュー
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「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」谷口功一氏
日本全国に約7万軒もある「スナック」について、真面目に論じるという、今までに見たことのない本が出た。 「人文科学系研究者ではきら星の面々を集め、夜の公共圏としてのスナックを論じてもらいました。…
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「dele ディーリー」本多孝好氏
今や自分の分身ともいうべきスマホやパソコン。そこには個人のプライバシーが詰まっているが、自分が死んだ後、家族や他人の目にさらされるとしたらどうするだろうか? 本書は、そんな死後の記録<データ…
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「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野剛志氏
TPP反対の論陣を張った評論家がグローバル化の終焉を言い当てた思想家・柴山桂太氏と対談。2人は5年前にも「グローバル恐慌の真相」(集英社)で対談しているが、そのときの見立て通りにグローバル化は行き詰…
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「東芝解体 電機メーカーが消える日」大西康之氏
かつて日本の家電は“世界一”ともてはやされ、多くの国々で愛用されていたものだった。ところが今、あの頃の栄光は幻と消え、東芝解体の衝撃をはじめ日本の電機メーカーの多くが絶滅の危機に瀕している。いったい…
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「永遠の道は曲がりくねる」宮内勝典氏
世界の貧困や差別を見つめ続けてきた著者の7年ぶりの新刊である。単独の作品であると同時に、「ぼくは始祖鳥になりたい」「金色の虎」に続く3部作の完結編で、本書の舞台は沖縄だ。 主人公は世界を放浪…
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「発達障害」岩波明氏
2005年に発達障害者支援法が施行され、人気モデルの栗原類やパリス・ヒルトンが発達障害だと公表したこともあり、発達障害がメディアで取り上げられることが増えている。半面、誤解や誤診も多い。 「空…
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「ESDの地域創生力」阿部治氏
「地方創生推進本部が発足したのは、第2次安倍改造内閣が発表された2014年9月。ローカルアベノミクスとして、あれから、全国各地でさまざまな取り組みが展開されていますが、必ずしもうまくいっているわけでは…
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「せいきの大問題 新股間若衆」木下直之氏
2012年に刊行された、「股間若衆」の続編である。前著では、“男の裸は芸術か”というサブタイトル通り、男性裸体彫刻をクローズアップし、「股間」がいかに表現されてきたかという問題にこだわり抜いて研究・…
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「字が汚い」新保信長氏
パソコンの普及でめっきり手書きの機会が減った昨今。しかし、こんなふうに思ったことはないだろうか。結婚式や葬儀の受付で芳名帳を前にしたとき、あるいは取引先に一筆したためようとして「もっと字がうまく書け…
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「暗い時代の人々」森まゆみ氏
5月23日、衆院本会議で「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案が可決された。治安維持法の悪夢再び、暗黒の時代に突入か、という今、読んでおきたい本がある。 戦前の最も抑圧された時代に、精神…
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「仕事なんか生きがいにするな」泉谷閑示氏
〈医者になったんですが、幸せにならないのはなぜでしょうか〉 精神療法専門のクリニックを開業する著者の元に、近年、働く意味や生きる意味を問う患者が後を絶たないという。 「ほかにも大地主で年…
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「安倍でもわかる保守思想入門」適菜収氏
2016年5月16日の国会答弁で、「私は立法府の長」と発言した安倍首相。言うまでもなく、立法府の長は形式的には衆議院と参議院の議長であり、総理大臣は行政府の長だ。 我が国ではとんでもないとん…
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「11歳からの正しく怖がるインターネット」小木曽健氏
SNSで炎上、個人情報が流出、アカウントが乗っ取られた……などネット上のトラブルはよく聞く話だ。 本書は「11歳から」と銘打っているが、決して子供向けというわけではない。安全にネットを楽しむ…
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「北斎まんだら」梶よう子氏
直木賞候補にもなった「ヨイ豊」で、歌川一門と浮世絵の終焉を描いた著者が、今作で挑んだのは浮世絵の巨匠・葛飾北斎だ。 「もともとは北斎とその娘・お栄(応為)の親娘関係に興味があったんです。お栄自…
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各紙を擬人化 プチ鹿島氏「ゲンダイ師匠は辛口おじさん」
「ネットニュースの見出しだけをフラットに読んで、分かったつもりになるのではなくて、その記事はどの新聞社が書いたのか、各社のキャラクターの違いを踏まえて読むと、ニュースもグッと面白くなると思うんです」 …
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「スウィングしなけりゃ意味がない」佐藤亜紀氏
若者たちをファシズム体制に順応させることを狙い組織された「ヒトラー・ユーゲント」。1936年以降はドイツの国家機関となり、ドイツの青少年たちは集団活動を通じて肉体の鍛錬を行い、祖国愛とナチ思想を教え…
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「系外惑星と太陽系」井田茂氏
夜空の星をぼんやり見上げている場合ではない。今、天文学界が非常に熱いのだ。 発端は1995年に遡る。太陽系外で初めて惑星(ホット・ジュピター)が突如発見された。それまでは、系外惑星は存在しな…
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「魂でもいいから、そばにいて」奥野修司氏
死者、行方不明者1万8000人余りを出した東日本大震災から6年。その被災地で、死者を身近に感じる体験をした人たちがいる――。 本書は3年半以上、被災地に通い続けた著者に、遺族がぽつりぽつりと…
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「アリガト謝謝」木下諄一氏
東日本大震災から1カ月後の11年4月11日。日本政府は時の首相のメッセージとして、米、英、ロシア、中国などの有力紙に感謝広告を掲載した。しかし、どの国より桁違いの高額の義援金200億円を送ってくれた…
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「源氏姉妹」酒井順子氏
〈いつもであれば、唇が私の顔を確かめるかのように動いているうちに眠ってしまうのですが、このときは唇が唇を覆ったままで、私の口の中に、ぬめぬめと動く舌が入ってきたのです。そうかと思うと、源氏さまの手が単…