今日の新刊
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「米軍医が見た占領下京都の600日」二至村菁著
1947年、戦争で疲れはて、京都の人々は飢えていた。そこに25歳のアメリカ人軍医が赴任してきた。グリスマン軍医中尉は中国大陸への赴任を希望していたのだが、送られたのは京都だった。京都では性病が蔓延し…
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「エラい人にはウソがある」 パオロ・マッツァリーノ著
孔子といえば反射的に「論語」を思い浮かべるが、実はこれは孔子の著作ではなく、弟子が書いた孔子の言行録なのだ。法律に関する最高責任者に抜擢されたというサクセスストーリーも捏造である可能性が高い。日本で…
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「山の不可思議事件簿」上村信太郎著
月山のスキー場にある姥沢小屋の旧館は、木造2階建てで200平方メートルの山小屋だった。年間6000人が利用しているが、冬は積雪が十数メートルにもなるため、11月から3月半ばまでは無人になっている。1…
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「人類を変えた素晴らしき10の材料」マーク・ミーオドヴニク著 松井信彦訳
著者が大学院生のころ、映画を見に行ったら、「なんで近ごろの菓子はみんなプラスチック袋入りで売られている?」と男がぼやいていた。それは違う。あらゆる材料のなかでいちばん映画館に存在する権利があるのはプ…
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「ヨーロッパの祝祭と年中行事」マドレーヌ・P・コズマン著 加藤恭子ほか訳
最近、日本でもハロウィーンで盛り上がっているが、元はケルト族の行事だった。10月は幽霊や精霊、魔女といった超自然的な存在が一番パワーアップし、いちばん寂しい思いをしている時期なので、ハロウィーンのと…
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「スッキリ解決! みんなの障害年金」吉野千賀著
公的年金の保険料を払っていると、老齢年金や遺族年金だけでなく、病気やケガで働けなくなったとき、障害年金ももらえるのだが、あまり知られていない。 受給するためには、本人が現役世代(20歳以上6…
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「御用船帰還せず」相場英雄著
西郷隆盛は園部藩士が江戸城御金蔵の分銅金の隠し場所を知る小栗上野介を処刑してしまったことを知って激怒した。若い藩士に命じて、歴代の勘定奉行の業績を調べさせたら、〈荻原重秀〉の名の上に斜線が引かれてい…
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「薬で読み解く江戸の事件史」山崎光夫著
薬をキーワードに江戸時代の出来事の真相や武将たちの行動の背景に迫る歴史エッセー。 庶民の平均寿命が40歳に及ばない時代に62歳で天下人になり、75歳まで生きた徳川家康は、医薬の研究に余念がな…
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「滅びゆく日本の方言」佐藤亮一著
方言は奈良や京都という政治、文化の中心地から水の波紋のように周辺の地方へ広がった。速さは年速約1キロで、京都で生まれた言葉が青森に到達するのには1000年以上かかる。関東では「アホ」と言われると「バ…
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「ゾンビ日記2死の舞踏」押井守著
ゾンビによってすべての者が死に絶えた世界でただ一人生き残った女は、発電機や貯水塔を備えた西洋建築で暮らしていた。食べ物は保存食のみ。壊れかけたトイレやシャワーを全力で修理するのは、それが彼女が〈舞台…
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「にょにょにょっ記」穂村弘著 フジモトマサル画
7月24日、「主婦の腿」からのお知らせ、というメールが届いて、著者はもわもわした気持ちになったという。 「サタンの爪」なら「悪のなかの悪」だし、「クレオパトラの瞳」なら「美のなかの美」だ。「娼…
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「赤い博物館」 大山誠一郎著
捜査1課の巡査部長・寺田聡は、容疑者の自宅に捜査資料を置き忘れるという大失態を犯したため、警視庁付属犯罪資料館に左遷された。館長の緋色冴子と品川署に15年前の事件の証拠品を受け取りに行ったとき、確認…
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「№1トヨタ 7つの仕事魂」志賀内泰弘著
トヨタの内装設計をしていた中川さんには障がいのある娘がいた。そこで、そういう子どものいる家族のために役立つ車を作ろうと思い立つ。お母さんたちは車の乗降に苦労しているに違いないと考え、バックドアを開け…
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「覚悟のすき焼き」宇田川悟著
音楽プロデューサーの松任谷正隆は、子どものころ、給食が苦手だった。みんなの目を気にしながらご飯を食べるのが苦痛で、今でもひとりでレストランに入れない。 そんな彼のためにふだんは妻の由実さんが…
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「池上彰のそこが知りたい!ロシア」池上彰著
ロシアは実は世界第2位の産油国だが、アメリカがシェールオイルを大量に生産するようになって原油価格が下がり、ロシアが経済破綻に追い込まれる可能性がある。しかし、シェールオイル生産はコストが高いため、ア…
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「『なりたい人』になるための41のやり方」窪田良著
著者は小学4年生のとき、父親の仕事の都合でアメリカの小学校に転校した。そこで人種差別を受けたのだが、「努力すればなんとかなる」ということと「答えを覚えるのでなく過程を考える思考法」を学んだ。 …
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「道徳の時間」呉勝浩著
T県鳴川市で変な事件が続いた。小学校で飼われていたウサギが車にひかれたり、幼稚園児が接着剤で両手を鉄棒にはりつけられた現場に、「生物の時間を始めます」「体育の時間を始めます」というメッセージが残され…
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「ニッポンの貧困」中川雅之著
日本には今、月に10万円以下で生活している人が約2000万人いる。これは後期高齢者の人口より多い。ホームレスの数は減っているが、ネットカフェや無料低額宿泊所などにいる人は増えている。貧困者の増加は消…
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「花鳥茶屋 せせらぎ」志川節子著
不忍池のほとりに珍しい鳥や植物を集めて見せる、行楽客に人気の花鳥茶屋〈せせらぎ〉。16歳の勝次はここで鳥籠職人の修業をしている。 ある日、松川屋彦左衛門が妾のお絹を連れてやってきた。お絹はヤ…
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「カエルを食べてしまえ!」ブライアン・トレーシー著 門田美鈴訳
書名の〈カエル〉とは「最も難しく重要な仕事で、いまやらなければどんどん後回しになってしまうもの」のこと。著者はあえて「もし2匹のカエルを食べなければならないなら、醜いほうから食べよ」という。人生で成…