「薬で読み解く江戸の事件史」山崎光夫著

公開日: 更新日:

 薬をキーワードに江戸時代の出来事の真相や武将たちの行動の背景に迫る歴史エッセー。

 庶民の平均寿命が40歳に及ばない時代に62歳で天下人になり、75歳まで生きた徳川家康は、医薬の研究に余念がなく、薬も自ら製造した。病弱だった家光の主治医を務めたこともあり、奥医師たちが治療できなかった家光の病を治したこともあるという。その家康が愛用した胃腸薬「萬病圓」や、土方歳三が新選組を結成する前に行商していた家伝薬「石田散薬」の復元をはじめ、開明大名として高く評価されながら突然死した島津斉彬の死を蘭方医が残した克明な「容態書」から検証するなど、日本史の裏話が満載。(東洋経済新報社 1500円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択