今日の新刊
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「実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと」高橋正典著
親が死んだ後、空き家となった実家を放っておくと、とんでもないことになる。今年5月「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されたため、固定資産税がこれまでのなんと6倍に跳ね上がることになったのだ。…
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「抗争」江上剛著
メガバンク、ミズナミ銀行は2011年3月、東日本大震災の義援金の振り込みが集中したことからATMがシステム障害を起こし、全店で不稼働となった。 9年前、3つの銀行が合併したとき、旧太洋産業銀…
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「記憶の森を育てる」茂木健一郎著
人間の脳の「記憶」がコンピューターの「メモリー」と異なるのは、それが想起されたときにいきいきとした「経験」を呼び覚ますという点である。著者は大学院生だった頃、小津安二郎の「東京物語」を見て、その舞台…
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「機密解禁文書にみる日米同盟」末浪靖司著
著者は2005年から秘密指定を解除されたアメリカ政府文書を調査した。 すると、日本の憲法や法令に規制されずに米軍を自由に行動させる日米合同委員会という秘密機関の内情が見えてきた。外務省北米局…
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「人生下り坂最高!」 火野正平、NHKチームこころ旅著
火野はテレビ番組「にっぽん縦断こころ旅」で、視聴者の手紙に書かれた情景を目指して自転車で旅に出る。 東日本大震災の2年後、被災地を自転車で走ったら、多くの人から逆に「頑張ってください」と言わ…
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「18きっぷ」朝日新聞社、朝井リョウ著
18歳の朝井は第1志望の国立大学に落ち、浪人するか、第2志望の私立大学に進学するか、選ばなくてはいけなくなった。高校の3者面談で朝井は「浪人はしたくありません」と言った。「書きたい話がたくさんあるん…
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「ギブ・ミー・ア・チャンス」荻原浩著
木下はコンビニでバイトをしながらお笑い芸人を目指している。コンビニシリーズのネタを考えたりしているが、問題は相方が見つからないことだ。ある日、マンションの階段で女の子と正面衝突して、コンビニでもらっ…
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「草雲雀」葉室麟著
媛野藩馬廻り役栗屋家の三男・清吾は女中のみつを妻としたが、部屋住みの身で独立することもかなわない。そんなとき、片山流の秘技〈磯之波〉の使い手であることを見込まれて、幼馴染みで同じく部屋住みの山倉伊八…
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「東京者がたり」西村賢太著
著者が16歳で家を出て最初に住んだのは、日暮里のラブホテル街の中にある家賃8000円の3畳間だった。クーラーも扇風機もないうえに、窓を開けるとラブホテルの十数機のエアコン室外機が熱風を送り込んでくる…
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「春画入門 浮世絵の豊潤なる世界」
名浮世絵師たちによる名作・傑作を集め、オールカラーの大迫力で掲載。全体というよりは部分的にクローズアップしたカットが多い。密かに淫猥さを追求したい人、筆致の精細さを確かめたい人、春画初心者に薦めたい…
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「世代論の教科書」阪本節郎 原田曜平著
「団塊世代の歩いたあとは、ペンペン草も生えない」など、世代論が普及しているが、その世代を理解すれば世代間ギャップは超えられる。たとえば、団塊の世代は韓流ブームなど時代の新しい流れをつくってきた。そうい…
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「『身体』を忘れた日本人」養老孟司 C・W・ニコル著
ニコルが若いとき、カモを撃とうとしたら、その殺気を感じたのか、水に潜った。殺気のオーラの中には、においもあるのかもしれない。北極に行ったときはそういうにおいを発していなかったため、動物がニコルを怖が…
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「心の平安」アフメト・ムディ・タンプナル著 和久井路子訳
両親をなくしたミュムタズは従兄のイヒサンに引き取られる。ミュムタズはボードレールやオペラ「魔笛」など西洋の文化に引かれていたが、包括的なトルコ史を書こうとしていたイヒサンの講義を受けてトルコの文化に…
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「犬の掟」佐々木譲著
水路沿いの道路に駐車したドイツ車の中で、手錠をかけられた男が射殺されていた。左脇腹にスタンガンの火傷痕があった。身元は暴力団の幹部・深沢と判明する。解剖医が、2年前に同じような状況の準構成員・室橋の…
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「動くものはすべて殺せ」ニック・タース著、布施由紀子訳
1968年、米軍のミライ集落(ソンミ村)の虐殺事件は世界を震撼させた。カリー中尉は「動くものはすべて殺せ」と命じて、4時間で500人以上の村民を虐殺した。この事件を告発したベトナム帰還兵のライデナワ…
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「闘う君の唄を」中山七里著
喜多嶋凛が就職した神室幼稚園は、見城真希が率いる保護者会が牛耳っていた。 遠足の目的地もお遊戯会の演目も保護者会が決める。園長の京塚は見城の言いなりだが、それは15年前の事件のためだという。…
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「怒鳴り癖」藤田宜永著
マンションの管理人をしている〈私〉は、コンビニから戻ってきてロビーのソファに誰かが寝ているのに気づいた。4階に住んでいる田辺真美ちゃんだった。「私、家出したい」と言うが、外に行く勇気がなかったらしい…
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「戦争と革命と暴力」宮崎学、佐藤優著
憲法学者が安保関連法案は違憲だとした時、安倍首相はホルムズ海峡の機雷掃海を持ち出して反論した。だが、イスラム国は海軍を持たないから、機雷掃海を考えたとき、機雷を仕掛けると想定されるのはイランしかない…
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「三河の風」外山滋比古著
徳川発祥の地である三河は、明治維新以来、賊軍となって厳しい風にさらされたが、三河の人間はじっと耐えた。寒風に吹かれていると体が意識しなくなる。被害を受けても感じないのは、〈慈悲の無知〉である。だが、…
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「鮫言」大沢在昌著
20代のころ、著者は〈陽のあたるオヤジ〉になりたかった。21のとき、2つ3つ年上のバニーガールに惚れたが、彼女には不倫関係の30を過ぎた男がいた。あるとき、彼女が著者のことをその男に話すと、その男は…